2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26580052
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
古賀 元章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80416445)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | T.S.エリオット / 「東洋哲学ノート」 / 姉崎正治 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.(研究の内容)1913-14年、ハーバード大学大学院に在籍していたT.S.エリオットは、宗教学を専門とする東京帝国教授の姉崎正治(1873-1949)の講義「日本の仏教各派の宗教的・哲学的思想」に出席して、「東洋哲学ノート」という表題の手稿を書き残している(ハーバード大学ホートン図書館に所蔵)。手稿の用語の多くを解読した後、姉崎正治とエリオットにとって「東洋哲学ノート」がどのような意義があったのかを研究した。そこで、幼少期から1914年における姉崎の宗教思想とエリオットの人生を検討した。 2.(研究の意義)世界に先駆けて、T.S.エリオットの「東洋哲学的ノート」を公開する。エリオットの「東洋哲学ノート」の研究成果を国内外の人々に情報公開する。国内外における姉崎やエリオットの研究を推進させることが予想される。仏教や姉崎に関心を持つ国内外の人々にも貴重な資料となる点で国際的に意義がある。 3.(研究の重要性)上記の着想や方法論によって、研究の成果が国内外の多くの人々に広く浸透することが期待される。エリオットの手稿「東洋哲学ノート」を世界に先駆けて研究することは、エリオット、姉崎、仏教などに関心のある国内外の人々に知的好奇心を喚起して世界的に学術上の貢献をするばかりではなく、各国の人々との相互理解の一助になると期待される。先の東日本大震災(2011年3月11日)を受けた日本から、共生社会の必要性の考えを国際社会に発信することにもなるであろう。 4.(研究の成果)学会での論文発表(計5件)や口頭発表(計1件)によって、研究の成果を公表した。こうした研究発表の内容を反映した冊子(日本語版と英語版)を作成した。巻末には、解読された手稿と主要な仏教用語の注を収めた。研究の成果を国内外の多くの人々や研究組織に知らせる工夫(ホームページの作成、冊子の郵送)を行った。
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