2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study of W.H.Auden's librettos and MacNeice's radiodramas
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26580057
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 専任教授 (00188533)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラジオドラマ / デジタル化 / マクニース / オーデン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、オーデンとマクニースのラジオ・ドラマを聴き取り、特に音楽の使用について調査した。そのためあらかじめBritish Library に申請し、当館所蔵の音声資料のデジタル化を依頼した。音声資料は、カタログ化されているが、全てがデジタル化されているわけではなく、こちらの依頼があってデジタル化をし、British Library の管内でのみ聴取が可能で、館外からのアクセスは出来ないというものが多いためである。マクニースのラジオドラマでも、The Dark Tower は館外からもアクセス可能だが、他作品はデジタル化されていない状態で、今回マクニースのラジオドラマPersons from Porlock とオーデンのラジオドラマ Ascent of F6 そしてマクニースの未亡人Hedli Anderson へのインタビューをデジタル化してもらい大英図書館内で聴取した。Ascent of F6は音楽を担当しているのがBenjamin Britten であるが、ピアノと打楽器による序曲が4分あり、Part1ではウクレレとピアノと歌が流れる部分がある。内容との関係からするとウクレレの異化効果は顕著である。Part1では他に女性の歌がピアノ伴奏で入る。Part2では男性合唱があり、別の箇所で約4分にわたり電子音が用いられている。Persons from Porlock はマクニース自身がプロデューサーを担当しているが、音楽の使用は極めて限定的で、Part2に歌が入る程度である。この2作だけを比較すると、オーデンが音楽の使用に熱心で、マクニースは冷淡なようにも思えてしまうが、The Dark TowerではBrittenが音楽を担当しており、かつマクニースはその成果を高く評価しているので、なるべく多くの作品における音楽の使われ方を比較した上で考察することが必須である。
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