2015 Fiscal Year Research-status Report
経験的データに基づく主格・対格目的語の作用域と情報構造・韻律の研究
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26580081
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
野村 昌司 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (60410619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 義和 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (40466644)
南部 智史 津田塾大学, 学芸学部, 研究員 (40649000)
ホワン ヒョンギョン 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・対象研究領域, 非常勤研究員 (80704858)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 主格・対格目的語 / 音声知覚実験 / 容認度判断実験 / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は主に国際雑誌への論文投稿に向けた執筆作業を行なった。また、その過程で必要と判明したデータを得るために容認度判断実験を行なった。具体的な実験手順の確認と論文執筆のため7月と11月に名古屋大学にて打ち合わせを行なった。実験は中京大学および名古屋大学でそれぞれ実施し、統計的分析を施した実験結果は平成28年2月に開催された国際学会(Formal Approaches to Japanese Linguistics)において、"The Nominative/Accusative Alternation in Japanese and Information Structure"という演題で発表した。
当該現象の全体像を把握するため、研究分担者の南部智史氏は佐野真一郎氏(慶應義塾大学准教授)と共同で「日本語話し言葉コーパス」および「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を用いたコーパス分析を行ない、その成果を平成27年6月に開催された日本言語学会で、「コーパスを用いた現代日本語における「が/を交替」の実証的研究」という演題で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文執筆の際にこれまでに得られていた実験結果以上のデータが必要であることが判明したため新たに実験を行うことになったが、スムーズに実験準備・施行ができた上に期待通りの結果が得られた。
韓国語ソウル方言ではフォーカスの音声実現が東京方言とは異なるため、昨年度行った実験の刺激を修正した上、再実験を実施した。その結果、東京方言との類似点と相違点が明らかになったが、さらに追跡調査も必要であることが分かった。韓国語と日本語における追跡実験により両言語の包括的な対照・比較ができると思われる。
実験によって新たに得られた成果を国際学会で発表することができたことから、研究の進捗状況はおおむね順調であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成28年度は国際雑誌への論文投稿が目標である。執筆作業は最終段階に近づいているが、さらにデータを追加するための音声知覚実験を行う予定である。それと並行して、当該現象への理論的アプローチと韓国語における同現象の分析も進める。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費等の使用時に残余額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「次年度使用額」は今年度に購入する物品、旅費等に合わせて使用する予定である。
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