2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Role of Japanese Language Policy and the Japanese Language as a Source of Soft Power in Japan's Relations with Countries in Asia
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26580090
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 和之 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (40133912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトパワー / 日本語学習者 / アニメ / まんが / 孔子学院 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のソフトパワー展開は、文学や芸術を通して行われてきた。アメリカでのジャズやラップミュージック、フランスのファッションや香水などが典型である。日本もまた版画や生け花、茶道、禅といった伝統文化をソフトパワーにしている。 しかしそれらは伝統的な、いわゆるハイカルチャーであり、現代の若者を惹きつける、言いかえるとこれからの日本理解者を増やすためのパワーにはなっていなかった。それはたとえば、日本語学習者の割合がこの何年も変化せず、もっともそれは常に一定の日本を知りたい人たちがいるということでもあるが、他方で、海外での日本語学習者の数は次第にその他の外国語に超されているという現実である。 2014年から行ってきた本研究では、日本のソフトパワーについて米国人研究者(日本文学研究・国際政治学)および韓国人研究者(社会言語学)との共同で、韓国と北米を対照にしながら、魅力的な日本文化や日本企業について検討した。また、日本理解者になってもらうための日本語学習についても調査したが、現実には食文化やアニメ、テレビゲームというポップカルチャーは日本語学習者の増加に直結していなかった。たとえば北米での日本語学習者の割合は中国語学習者の割合に超されてしまっていて、その影響は中国の孔子学院が展開するソフトパワーや中国経済の隆盛によるエコノミックパワーによるものが大きかった。 研究では中国語学習者と日本語学習者に焦点をあて、韓国や北米での孔子学院のソフトパワー展開についての聞き取りも実施した。
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Research Products
(8 results)