2015 Fiscal Year Annual Research Report
留学生との接触状況と住民の意識の変容-多文化共生社会を歩む大分県別府市を例に-
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26580102
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松井 一美 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (10611353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板橋 民子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80469402)
吉里 さち子 熊本大学, グローバル教育カレッジ, 特任准教授 (20544448)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多文化共生 / 外国人 / 留学生 / 異文化理解教育 / 異文化間コミュニケーション / 接触仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学生の半数が留学生という国際大学の誘致に伴い、人口に占める外国人留学生の割合が全国平均の約26倍となり、急速に多文化化が進んだ大分県別府市における地域住民と外国人との接触状況と住民の意識の変容、また市の行政機関が行ってきた取り組みについて多角的に調査、検証することにより、より望ましい多文化共生社会の構築に必要な要因を明らかにし、今後の日本社会における多文化共生に資することを目的としている。 前述の大学が開学する前と後で、地域住民と外国人との接触状況がどのように変化したのか、そしてその結果、住民の外国や外国人に対する意識がどのように変容したのかを調べるため、質問紙によるアンケート調査を実施した。また、多文化共生社会構築に必要な要因を探るためには具体的な接触場面を取り上げ調査することが必要であると考え、消防や警察の担当者、小学校における留学生との交流授業、外国人留学生が居住する住居の管理者(所有者)を対象にした調査を行った。調査の結果、直接接することにより偏見が軽減されるという「接触仮説」に沿う結果が得られた。また、別府市には他の外国人集住地域では見られない特徴があることがわかった。小学校における交流授業に関する調査では異文化理解教育の視点から分析を行い、論文を現在学会誌に投稿中である。アパート経営者に関する調査では、外国人を住まわせることに肯定的な経営者と否定的な経営者に対し調査を行っており、今後関連学会で発表したいと考えている。 研究の成果を市民に還元するため、別府市役所文化国際課と共同で多文化共生フォーラムを開催した。フォーラムでは招待講演のほか本研究の成果及び市の多文化共生に関する取り組みを紹介するとともに、会場に参加した市民と意見交換を行った。市民からは様々な意見が出され、フォーラムを機に参加者を機軸としたネットワークが形成され、新たな取り組みが開始された。
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Remarks |
研究の成果を市民に還元するため、別府市文化国際課と共同で多文化共生フォーラムを開催した。フォーラム開催前には市報において広報され、開催後は市報にて内容の報告がなされた。
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