2014 Fiscal Year Research-status Report
LMSを使った英語教員が作成できるe-learningプログラムの開発
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26580115
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川嶋 正士 日本大学, 工学部, 准教授 (50248720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 博之 日本大学, 工学部, 教授 (40147658)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | e-learning / LMS / ランダム出題 / マハラビノス距離 / SN比 / 5文型 / parsing |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては2つの面で実績があげられた。1つは過去に作成し、本研究の前提となるLMSを用いた英語コースウェアの統計処理と分析である。本研究の礎となる初歩的なコースウェアを作成したものを用いた結果を考察した。昨年度作成の正規の授業外で行ったものであり、被験者のレベルをそろえることなどができなかったが、実験結果を分析するとe-learningの授業を受けているもののほうが向上が見られた。、これに関しては昨年12月の日本大学学内の発表 (学会発表3)を経て1月に国際会議において口頭発表を行った(学会発表4)。またe-learningの特徴である繰り返し学習に着目し、合格点に到達した最終の学習時間を用いて単位空間を作成しマハラビノス距離の特徴を明らかにするとともにSN比を求め学習時間を長引かせる問題項目を明らかにした(雑誌論文5)。 研究代表者がもう一つ単年度の研究費を獲得できたので、科研費においては当初計画に入れられなかった射程の広い課題にも取り組めた。伝統文法におけるParsing(文分析)を行えるコンテンツを考案中であるが、そのためには戦前より日本において普及してきた「5文型」の研究が必要である。これに関しては英国における「5文型」の誕生と消滅の経緯を研究したものを昨年7月に論文として発表した(雑誌論文1)。昨年度3月には「5文型」の習得の困難な面について理論的見地から改善を行い対照実験をして考察した結果を発表した(雑誌論文3)。また昨年5月には史的観点から伝統文法の問題点に関して口頭発表を行い(学会発表2)、 論文にまとめて発表した(雑誌論文4)。教育における英文法の教授法の問題にも取り組み、昨年8月に国内で開催された国際会議において口頭発表を行い(学会発表1)論文化した(雑誌論文2)。さらに今までの「5文型」研究の集大成を著書にして刊行した(図書1)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラミングについて平成26年度はランダム出題の可能なコースウェアの作成に着手した。コンテンツに関しては音声を取り入れることに取り組んだ。語彙力強化のための選択式回答プログラムにおいて『Database 3000』の例文と音声を入力したが、まだ入力ミス等をクリアしきれていない。また、問題の進行において正しい方向に進まないなどバグも見られる。これらに関しては実装の前にまだ修正が必要となる。平成27年度に実装を終え授業を行える下地ができた段階である。英作文における記述入力はまだ、例文や音声の入力まで至っていない。前年度は20問すべてを1レッスンとして行っていたので、合格基準点に達しないとすべてをやり直さなければならなかった。この点が学生のモティベーションを低下させていたので今回はレッスンを4つに区切り5問ずつ成績をつけるようにした。これによりやり直しの問題数は一度に5問となったので合格点に達しない場合でも間違えた問題を見直して取り組む姿に積極性が見られるようになった。 当然の事であるがe-learningの基底に確立されたlearningが存在しなければならない。Parsing を取り入れるためにも、このことは例外ではない。これに関する基礎研究については英国における「5文型」の歴史に取り組んだ。日本では宛ら英文法の項目として認知されている「5文型」はラテン語教師が考案したものであり他にラテン語・フランス語・ドイツ語などにも見られることや考案者が提唱後放棄して以来英国ではその存在さえ知られていない点など史的な研究で今まで知られていなかった事実を明らかにした。現在の学習指導要領においてもその影響が捨て去れらていない「5文型」について、理論的な問題点を整理すれば、文法項目として教授する際に学生が理解されやすいものになる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までに作成したコンテンツを完成させることを心掛ける。語いのみならず、記述式問題でも音声の入力を可能にする。正解を得ない場合は、音声をヒントに再度回解答するプログラムを作成する。昨年度はHTMLを作成する際にて入力ミスによるエラーが少なからずみられた。今年度はマクロなどを用いて入力の負担を軽減する方法を考える。また成績管理において、一定基準を設け、その基準に達しない学生はレッスンを終了させないシステムを開発する。これらにより低レベルの作業時間を軽減することで高レベルの作業時間が増える。その中でランダム出題の完成を目指す。現時点でのランダム出題は解答者が間違えた問題を優先出題し、残りをランダム出題するところまではできている。これを改良し、すべての問題からランダム出題することによりまんべんなく繰り返し学習ができるようにする。 現在使用しているWebCAIというシステムはSCORM対応であるがJAVA アプレットを使用している点に問題がある。JAVA 7.6までは動作するが、最新のJAVA 8.0にアップグレードすると動作しなくなる。昨年度は大学所有の使用PCのJAVAを7.6にとどめておいたが、JAVA7.6のサポートが本年4月をもって終了するので、アップグレードされたJAVAで作動するようにシステムを組み替えるか、JAVA スクリプトなどを使用しJAVAのアップグレードに影響を受けないシステムを考案する必要がある。どちらにも対応できない場合は当面Moodleなど既存のシステムを使い開発を続けることも視野に入れなければならない。Parsing に関してはいわゆる「第4文型」の取扱いが問題となる。歴史的な起源から研究した後に「5文型」を分析するコンテンツの作成に取り組む。余力があれば、問題を増やしたり洋楽から歌詞を引用したりコンテンツの充実を心掛けたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者が使用予定であった研究論文抜き刷り費用が当初の予算より下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究発表のための旅費(九州・関西)や研究論文印刷・出版費用などに多くが必要となるのでこれらを補うために必要となる。
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[Presentation] 「5文型」断章2015
Author(s)
川嶋 正士
Organizer
日本英語教育史学会
Place of Presentation
久留米工業高等専門学校
Year and Date
2015-05-09 – 2015-05-10
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