2014 Fiscal Year Research-status Report
東京都内大学における発音教育と教員の教育的決定の調査
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26580117
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
横本 勝也 立教大学, ランゲージセンター, 教育講師 (30646740)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語教育 / 英語発音 / 教師認知論 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は研究初年度であったが、ほぼ予定通りにアンケート調査を実施した。このアンケート調査は東京都内の大学に従事する英語教員を対象とした実態調査で、英語教育全般の経験、発音教授の経験、発音学習の経験、発音教授に関する教育、発音教育に関する用語の熟知度、発音教育に対する関心、発音教育に対する信念、発音学習に対する信念を調査するオンラインアンケートを作成した。 8月にパイロットを実施した。パイロットには計5名が参加した。think aloud法を用い、その様子をビデオ撮影し、同時に研究者がフィールドノートを取った。映像とフィールドノートを用いて、半構造的面接を行い、加筆修正案について話し合った。 パイロットの結果を基に、オンライン質問紙を加筆修正し、東京都内の大学に従事する教員に参加依頼をした。現同僚、元同僚、都内で開催された研究会など参加した際には参加者を募った。その他連絡先の分かる教員には直接参加依頼をし、それぞれ雪だるま方式でさらに参加者を募った。 目標参加者数に満たなかったため、当初の2月までの予定であった参加者募集活動を3月10日まで延長したが、計92名の教員が参加した。目標参加者数には満たなかったものの、他国で行われた類似した実態調査では参加者50~60名の研究も少なからずあり、研究協力者であるIsaacs氏、Yu氏共に92名で十分だという意見で一致した。東京都内で発音に関する経験、関心、信念に関する実態アンケートの前例がないこともあり、92名の参加者の回答は東京都内の大学英語発音教育の現状を知る重要なデータであり、この研究の当該分野に与える影響は大きい。 実態調査アンケートの結果の相関分析に着手したが、まだ調査結果をまとめるには至らず、発表する学会や研究会参加についても未定である。今後、調査結果をまとめ次第、学会発表、研究会での発表を積極的に行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究は、当初の研究計画通りに概ね進行した。実態調査アンケートの作成が若干遅れをとり、パイロット調査実施、それによる修正加筆、本番の実態調査実施までで遅れを取り戻したが、目標参加者数に満たなかったため、参加者募集を延長して行った影響もあり、当初の研究計画より若干遅れた状態で当該年度末を迎えた。 但し、本研究の社会的意義と当該分野における知見への貢献という点では、この遅れはほぼ影響を与えないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに進められるよう、今後多少の修正が必要であるが、本研究の目的を達成することに影響を与えないことを考慮し、今後の研究の計画を次のように変更する必要がある。 昨年度3月にトロントで開催されたAAALおよびTESOL学会で、研究協力者2名とその他当該分野の第一人者である5名と、昨年度に実施したアンケート調査の結果の一部と日本人学習者の音声サンプルの収集方法について話し合った。日本人学習者の音声サンプルの収集であるが、すでにパイロットを行っており、その結果、使用する教材が決定次第、5月以降に10名分の音声サンプルを収録する。それと同時に、それらの音声を聞きながら分析的にニーズ評価を行えるように、6月末までに評価シートを作成する。それと同時に、アンケート調査の結果を発表するために提案書を作成し、論文執筆にも着手する。7月にはパイロットで得た音声と評価シートを使用して、5名の現職教員に実際に評価作業を行ってもらい、その様子をビデオ録画して、パイロットとする。8月にはその結果、必要な修正を行い、音声収録に必要な教材決定とニーズ評価シートの加筆修正を行う。 当初の計画では、アンケート調査の結果を元に同じ大学に勤務する教員を4名1グループとして、5グループ、計20名の参加を予定していたが、アンケート調査への参加者数が目標の人数に達しなかったことに加え、同じ大学で教鞭を取る現職の教員複数名のスケジュール調整が非常に困難なため、当初の計画にあったフォーカスグループでの議論ではなく、個々の半構造的面接を行うことにする。本研究の目的を達成するのにはこの変更は影響はないと考える。その評価作業および半構造面接は9月から1月までの間に行い、随時書き起こし作業、質的分析作業に着手する。 アンケート調査の結果に関する論文は27年度末を目標に執筆を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では研究結果公開用のホームページ作成と質的データ解析ソフト(NVivo)の購入を予定していたが、これらは27年度に行っても研究成果には影響しないため、延期した。具体的には、ホームページ作成であるが、具体的にどのように調査結果を公開するかによって、費用が異なるため、実施に分析等を行い、結果がまとまってから具体化していく必要があり、27年度に行うこととした。NVivoの購入は高額なソフトなため、別のソフトでの代用も視野に入れており、解析ソフトを必要とするのは27年度に収集するデータの分析であるため、代用品の購入も含めて、質的データの分析を必要とする時期に具体的に検討する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果公開用のホームページ作成は、実態アンケート調査結果を分析し、まとめて、論文執筆の目標としている27年度末までに行うこととし、質的データ解析ソフトは、現職の教員が学習者の音声を実際に聞いてニーズ評価をするためのパイロット調査を行う7月頃までに購入を検討する。
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