中学校英語コミュニケーションタスク時のWTC要因:ClassroomWTCの構築

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26580124
• Research Institution: Kansai Gaidai College
• Principal Investigator: 豊田 順子 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (40618104)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松宮 新吾 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (40411558)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: L2 WTC / Situational WTC in L2 / Task based instruction / Interaction based task / 共分散分析によるモデル構築 / 質的量的研究 / 中学校英語コミュニケーション活動

Outline of Annual Research Achievements

以下が平成27年度研究進捗状況である。
1. 量的データ分析
平成26年度、研究分担者の松宮新吾教授と研究協力者の八島智子教授と打ち合わせを重ね、独立変数用質問紙と従属変数用質問紙の２種を作成した。平成26年度9月より約3週間に一度調査対象校の英語授業にTBLを導入し、毎授業後に従属変数用のための質問紙調査を行った。平成26年度12月には計80問からなる独立変数用質問紙を実施した。平成27年度2月には予備調査として「学習者群のタスクの嗜好性」に関する質問紙を実施した。平成27年度は、これらの質問紙から得た膨大なデータの不備や欠損を調べて、コンピューターに入力する作業をアルバイトの学生とともに行った。有効データをSPSS 22により、t検定、相関分析、ANOVA（一元配置分散分析）、重回帰分析(ステップワイズ法)などで様々な角度から分析した。分析結果を研究分担者と研究協力者で成る小委員会で数回発表し、結果に関する意見交換を行った。SEM（Structual Equation Modeling:共分散構造分析)を行い、WTCモデルを構築する必要が出てきたため、急きょIBMのAMOS：共分散構造分析のための講座を受講し、分析手法を学んだ。データ分析後は、近年のWTC先行研究を基に分析結果の解釈と考察を進めている。
2. 質的データ分析
独立変数用質問紙に含まれる自由記述のコーディング、ならびに毎タスク授業後の自由記述のコーディング作業を27年度10月からアルバイトの学生とともに行ってきた。また、毎授業の英語インタラクションタスク後の各調査対象学習者が作成する英語ラィティングレポートの語数をアウトプット成果として記録してきた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

27年度の研究実施計画は、入手したデータを分析・考察することであった。本年度この計画におおむね沿って研究が進んだといえる。しかし、膨大なデータの入力作業、とりわけ調査対象者が自由に綴った自由記述データの入力作業には予想以上の時間がかかった。また、予定した質的調査のうち面接による質的調査は調査対象者側のスケジュール上の問題から完了することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

質的データをSQORM法（構造構成主義的質的研究法）などにより分析する予定である。また量的データから、SEM（Structual Equation Modeling:共分散構造分析）を行い、日本人中学生学習者のWTCモデルを構築する予定である。
量的・質的データから得られた研究成果を国内外の学会で発表していく。現在、28年６月に開催されるTBLT in Asia 2016や29年度3月開催予定のTESOLでの発表を予定している。さらに研究成果を国際ジャーナルに投稿する予定である。

Causes of Carryover

27年度予定していた国内外の学会発表を予定していたが、本年度に行うこととした。また論文を公版する予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

1. 国内外の学会発表旅費:約59万円
2. 国内外学会参加費　約6万円
3. 論文英語Editingサービス代金:約15万円