2014 Fiscal Year Research-status Report
モンゴル国カラコルム博物館における歴史研究を基軸とした情報化と国際協働の推進
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26580133
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
松川 節 大谷大学, 文学部, 教授 (60321064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二神 葉子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 情報システム研究室室長 (10321556)
清水 奈都紀 大谷大学, 文学部, 研究員 (90649237)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中央ユーラシア史 / 歴史研究 / 情報化 / 国際研究者交流 / モンゴル国 / カラコルム博物館 / 博物館電子ガイド / 文化財保存科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,諸外国との国際的協働によってモンゴル国・カラコルム博物館収蔵の考古歴史遺物の研究を推進するとともに,同博物館の高度情報化をめざし,研究成果を情報展示によって地域に還元し,博物館を核とした地域振興策を新たに提案することを研究目的としており,初年度にあたる今年度は,1)歴史学分野で松川は2014年4月30日~5月6日までモンゴル調査を行い,カラコルム博物館に収蔵される『勅賜興元閣碑』レプリカ制作のための基礎調査を行った。2)情報科学分野で研究協力者の平澤(大谷大学)が2014年4月30日~5月6日までモンゴル調査を行い,カラコルム博物館にて情報インフラ調査を行い,さらにiPadを利用したモンゴル語・日本語・英語博物館電子ガイドシステムの構築を行った。また,帝塚山大学の山口欧志に依頼し,カラコルム博物館収蔵遺物の3Dデータ化について,基礎的調査・研究を行った。3)文化財保存科学分野で二神は2014年9月5日~9月8日までカラコルム博物館に滞在し,文化財保存保護の方法について提言を行った。 これらの研究成果は,モンゴル国で2015年1月に刊行された雑誌『オルホン渓谷遺産』第3号に,二神葉子「これからの10年に向けてオルホン渓谷文化的景観の顕著な価値を共有するために必要な事柄について」(モンゴル文),清水奈都紀「地域社会における文化遺産の新たな価値の発見と発信」(モンゴル文)として掲載され,モンゴルにおける現地還元が達成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画のうち,1.歴史学分野でポーランドおよびロシアにおける現地調査は,先方から資料閲覧の許可を得られていないため,やむを得ず延期している。2.情報科学分野では「iPadカラコルム博物館電子ガイド」のプロトタイプを作成することができ,当初の計画以上に進展しているといえる。3.文化財保存科学分野では,今年度はJICAによるカラコルム博物館派遣員の岡本真祐子,広橋弘子の協力を得て,二神が有効な保存策の提言を行うことができた。4.地域振興分野においては,研究分担者の清水が2015年1月に現地調査を行ったが,その成果は2015年4月に現地で開催されるワークショップにて明らかにされる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,前年度に達成できなかったポーランドおよびロシアにおける現地調査,あるいは現地研究協力者との協働による『勅賜興元閣碑』拓本調査を行う。その他の面では研究計画は順調に進んでいるので,計画どおりに行っていく。
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Causes of Carryover |
1)松川が今年度に予定していたポーランドおよびロシアにおける碑文調査が遂行できていないため,旅費に残額が生じた。 2)分担者の二神においては,今年度に行ったモンゴル調査に伴う予算執行に残余が生じた。 3)分担者の清水においては,今年度内に行う予定であった現地ワークショップ開催に伴うモンゴル出張が,次年度に繰り越しになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)平成27年度は,前年度に達成できなかったポーランドおよびロシアにおける現地調査,あるいは現地研究協力者との協働による『勅賜興元閣碑』拓本調査を行う。 2)分担者の二神は,平成27年度分担金と合わせて,モンゴル現地調査などもっとも効果的な予算執行を行う。 3)分担者の清水は,平成27年度分担金と合わせて,現地において「カラコルム博物館を核とした地域振興ワークショップ」を開催する。
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Research Products
(3 results)