2016 Fiscal Year Annual Research Report
Theoritical study on the Formation of Pottery Types seeing from Ethnoarchaeological Research
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26580139
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 龍三郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80163301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大網 信良 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (10706641)
平原 信崇 早稲田大学, 會津八一記念博物館, 助手 (60731180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 土器型式 / 民族誌調査 / パプアニューギニア / 土器製作者 / 親族組織 / 氏族 / トーテム / 婚姻 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年8月6日~8月20日の間、パプアニューギニア、ミルンベイ州、イーストケープに出かけ、現地で民族誌調査を実施した。今回の調査には2つの目的があった。一つは今まで10数年にわたり聞き取り調査を実施してきた女性土器製作者に対して、最近の動向を聞き取ることであり、土器製作を継続しているかどうかを確認することであった。高齢の製作者も多いので、生存を確認することも含め、土器型式の変革をもたらすような大きな動向があったかを確認することであった。その折に今後の正式報告書の刊行に当たって、個々の土器製作者に面会し、製作者の顔写真、家系図、土器製作の経歴を掲載することの了解を取り付ける作業も併せて行った。これに関しては後日、学術書の刊行に際して大きな混乱を引き起こすことがないようにするための配慮で、製作者と個別の契約書を交わした。 他の一つは、女性土器製作者のもつ世界観と関連して、先祖霊や精霊(Mimitua)、死霊と関わる信仰および呪術、魔術に関する調査である。60歳台の女性には依然として昔ながらの土着信仰を奉じるものがおり、今回の調査では、ベツツ在住のT女史にそれらについて聞き取り調査を実施した。イーストケープにはそのような土着の信仰に長けた女性が多数いる。土器製作者の中にも多数いるとの証言を得ている。彼女らはパロマ(魔女)と呼ばれ、幼少から特別の訓練を受けて成長するらしく、それらの訓練は彼女らの世界観の形成に大きな役割を果たしたと考えられる。土器型式の成立や変革に当たって、それらの女性たちの役割が大きいと推定されるので、今後の重要課題として位置付けたい。男性も含む地域の伝統的世界観、土着的信仰の在り方を究明するために、各世帯の敷地に祀られる石柱群(Gaima)の調査も今回の調査で推進することができた。
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