2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the possibilities of visual anthropology for Minamata Disease Disaster: Based on Tsuchimoto Noriaki's Films
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26580148
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水俣病事件史 / 土本典昭 / 映像人類学 / 写真 / 地域連携 / 芥川仁 / 博物館人類学 / シグロ・青林舎 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(平成28年度)は熊本地震の影響もあって、当初計画内容の一部変更し、また、予定していた研究成果の公表までは至らなかったが、本研究課題の当初の目的は十分に達成された。 1)昨年度末から収集整理の可能性があった土本典昭監督の水俣映像に関する資料群の一部について関係者と交渉し、資料の活用について検討してきた。特に、水俣病研究者でもあり、土本映画にも関係していた有馬澄雄の協力や香室結美(熊本大学・受託研究員、水俣市水俣病資料館学芸員)、下田健太郎(学振ポスドク:お茶の水大学)、ジョシュア・リカード(映像人類学:熊本大学)の若手研究者に加えて、青木恵理子(龍谷大学)、さらには大学院生の田口由夏・松永由佳(熊本大学)のメンバーの研究協力によって、土本作品を含む映像人類学的な水俣へのアプローチについて映画鑑賞会や研究会で議論してきた。『ドキュメント路上』は水俣病関係の映像よりも外国人研究者にとってはアクセスしやすい映画であり、映像人類学的に土本作品を評価してゆく際には極めて重要な作品になることが確認された。 2)水俣での映像人類学の実践は、昨年度より映像から写真にシフトしている。本年度は水俣で写真を撮り続けてきた写真家・芥川仁との共同作業に着手しはじめ、本科研研究課題とも連動した芥川仁写真展を水俣市水俣病資料館で開催した。また、本年度末には写真を活用した水俣に関する映像人類学的実践を芥川氏と行っていくことに合意し、写真撮影を含むさまざまな試みを行う研究基盤を構築することができた。 3)当初予定の地域インターンシップはその制度自体が熊本大学文学部からなくなったたが、その一方で、本研究課題での活動も評価され、平成29年度から開講される全学規模の「肥後熊本学」に「水俣病の社会史」をカリキュラムとして組み込むことになり、大学、新聞社(熊本日日新聞)、水俣市との連携を強化することができた。
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Remarks |
(1)は映像・文献等の資料関係のページ。活動内容等については日本語と英語で今後もアップしてゆく予定にしている。
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Research Products
(1 results)