2015 Fiscal Year Research-status Report
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26590019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (30365499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 権威主義国家 / 中国共産党 / 中国の民主的な制度 / 人民代表大会 / 中国人民政治協商会議 |
Outline of Annual Research Achievements |
「なぜ権威主義国家中国の体制は安定しているのか」。本研究は、この問いに答えるための手掛かりの一つを、中国の民主的制度の政治的役割に見出そうとするものである。権威主義国家の議会や選挙といった民主的制度に関する先行研究は、民主的制度が体制エリートの離反防止、反体制勢力の抑制と弱体化、統治の有効性の向上の機能を発揮していると論じている。 しかし権威国家主義中国における民主的制度に関する研究は、その政治的役割を十分に解明してきたとはいえない。第一には、権威主義国家の民主的制度に関する先行研究の多くは競争的権威主義国家の民主的制度の研究であり、中国のような閉鎖的権威主義国家の民主的制度に関する事例研究は、十分な先行研究がないからである。 平成27年度の本研究は、地方の民主的制度に関する調査、および事例研究を積み重ねてきた。とくに今年度の最大の成果は、中国人民解放軍の人民代表大会における活動に関する研究を展開したことである。本研究は、中国を事例としながら、権威主義国家の民主的制度における利益団体の活動に関する研究、権威主義国家の民主的制度における軍の活動に関する研究へと発展する可能性を有している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究成果を踏まえて、平成27年度は、広東省広州市および浙江省ウェンリン市での調査を実施し、事例研究を実施するうえで必要な新しいデータの収集に成功した。また、中国での調査研究をつうじて、人民代表大会における人民解放軍所属の人民代表大会代表の活動についての研究をはじめとする新しい研究テーマに関する研究のアイディアを獲得することに成功した。 これらの研究テーマは、権威主義国家における民主的制度に関する研究において、重要な研究テーマであるにもかかわらず、国際的にみてもほとんど着手されていないものである。平成28年度はこのテーマを積極的に取り組んでゆくことにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度であることから、積極的に研究成果を対外発信してゆくこととしたい。また権威主義国家中国における民主的制度研究には、依然として多くの研究課題が残されていることから、新しい研究課題を見つけ出すための現地調査を、ひきつづき実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた出張経費の見積額よりも実際には低価格で手配できたため、余剰資金が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本余剰金により、現地での聞き取り調査の回数や内容を拡充させる計画である。
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Research Products
(3 results)