2014 Fiscal Year Research-status Report
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26590023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木戸 衛一 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (70204930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 伸洋 東海大学, 文学部, 講師 (00631847)
長 志珠絵 神戸大学, その他の研究科, 教授 (30271399)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 空襲 / 加害・被害 / 記憶 / 国際情報交換(ドイツ) |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・分担者合同の取り組みとしては、5月18日にキャンパスプラザ京都において研究会を開催し、今後の研究方針について確認したうえで、7月12日、東京女子大で開かれた空爆問題研究会に参加し、今日の無人機爆撃に至る無差別大量殺戮の歴史に関する知見を得るとともに、他の空襲研究者との連携のあり方を検討した。 研究代表者・木戸は、ハンブルク現代史研究所で「記憶工房」を主宰するLinde Apel博士らと面談し、ドイツ空襲の研究動向について教示を得るとともに、今後の研究協力の体制について意見を交換した。また、2015年2月13日のドレスデン空襲70周年にちなんで開催された国際シンポジウムやワークショップに出席し、日独における空襲の記憶の共通点と相違点や、記憶と政治との連関性について報告・討論を行った。 研究分担者・長は、内外の国際シンポジウムや学会等で、日本の空襲研究の現状と課題等について発信したことに加え、神戸市民への発信、全国規模での市民運動による空襲記録運動「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議第44回神戸大会」(8月23~24日、神戸市立御影公会堂)のオーガナイズ・記録集作成に関わった。 また、研究分担者・柳原は、2015年2~3月、ドイツ西部(プフォルツハイムなど)に研究調査に赴き、慰霊式典に参加し、同地での研究者と知見を交換した。加えて国内において、「空襲記憶の継承」に関する報告を複数回にわたり行い、日本における「空襲記憶の継承学」についての基盤部分について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献研究はもとより、国内および国外(ドイツ)の空襲研究者との研究交流を通して、空襲の体験・記憶を継承する日独間のネットワークを構築し、2016年に研究者を招聘して意見交流する基礎を整えた。また、内外における講演などを通して、その成果を広く社会に還元した。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、日本平和学会の分科会「戦争と空爆問題」に積極的に関わり、春季研究大会および秋季研究集会での分科会の充実を図る。また、空襲の体験・記憶を継承する日独間のネットワークをさらに整備し、2016年度における研究集会の成功を期する。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りに予算を執行したが、購入物品が予想より安価であったため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度以降の予算に即して執行する。
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Research Products
(10 results)