2014 Fiscal Year Research-status Report
会計制度に起因する金融危機波及に関する研究:理論と実験
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26590026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 竜一郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80345454)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / フランス:アメリカ / 時価会計制度 / 銀行取り付け / 情報の非対称性 / 独占的競争 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該プロジェクトの研究テーマを遂行するにあたり、研究計画に沿って理論分析と実験分析を並行して行った。 理論分析においては、研究代表者は米国カルフォルニア大学デービス校経済学部に長期滞在し、そこでの議論を通じて、独占的競争モデルを用いた多様なタイプを許容する銀行モデルの構築を図っている。これまで考えられてきた取り付けに関する銀行モデルでは、単一タイプの銀行を代表的タイプの銀行としてきた。しかし本研究では金融危機と会計制度の関係を追究し、先の世界金融危機に準じて会計制度を通じた銀行破綻の伝播を考察しているため、多様な銀行を想定する必要がある。 その設定では、銀行預金者は銀行と事前契約を結ぶために、銀行のタイプに関する情報を事前に持っていることが想定される。モデル構築の上でそうした多様な銀行との契約を許容するために、独占的競争モデルを取り付けに関する銀行モデルに導入することで分析を可能になった。現在はそのモデルに基づいて理論分析を行っている最中である。 一方実験では、このような多様な銀行との預金者の契約を想定するために、被験者間に保有している情報の優劣をつけ、その情報の差異の投資行動への影響を見ることを通じて、多様な銀行への預金行動を分析する状況を実験環境で実現することを試みた。実験結果としては情報の優劣に関する行動や資産価格への優位な影響を見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論モデルの構築に想像以上に時間がかかってしまい、独占的競争に基づく銀行行動、預金者の行動の分析が遅れ気味である。最終年度に向けてその分析を進めることで、追実験の計画が可能になる。したがって、理論分析をペースをあげて進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは多様なタイプの銀行が存在する市場における、預金者行動・銀行取引及び会計制度による(特に取り付けに焦点を当てた)銀行への影響を分析していく。さらに最終年度に向けて、IFRSの影響をさらに精査することで、実験研究にもつなげ、政策的な低減を行っていく所存である。
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Research Products
(6 results)