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2014 Fiscal Year Research-status Report

離散選択モデルのミクロ経済学的基礎

Research Project

Project/Area Number 26590037
Research InstitutionNational Graduate Institute for Policy Studies

Principal Investigator

城所 幸弘  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90283811)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords離散選択 / ロジット / ミクストロジット / GEV / 効用最大化 / ミクロ経済学
Outline of Annual Research Achievements

離散選択モデルは、交通需要予測、産業組織論等で幅広く用いられているが、離散選択モデルで考えられているのが完全な意思決定問題であるかどうかは明らかではない。例えば、離散選択モデルでケチャップの選択を考えた場合、典型的なモデルでは「ブランドAのケチャップを1個選択」「ブランドBのケチャップを1個選択」「買わない」という3つの選択肢の中から、消費者が1つの選択肢を選ぶと仮定される。この離散選択モデルでは、それ以外の財、例えばマヨネーズの選択に関しては何ら触れられない。また、なぜ消費者が「1個」を選択するのかも説明されない。しかし、現実には、消費者は、マヨネーズや他の財も予算内で選択しており、また、ケチャップを複数個購入することもあるだろう。一方、通常のミクロ経済学の効用最大化問題では、すべての財の選択を内生化することができ、そこでは複数個の財の選択も自由である。このような例から、離散選択モデルは消費者の意思決定の一部に焦点を当てているに過ぎないことがわかる。通常のミクロ経済学の効用最大化問題と離散選択モデルは上記のように異なった特徴を持つが、その完全な対応関係に関してはこれまで明確な結論が存在していない。
本年度の研究では、ロジットモデル等の離散選択モデルと完全に整合的なミクロ経済学の効用最大化問題を定式化した。本研究で定式化した効用最大化問題では、離散選択モデル同様、各財の需要が財グループの総需要に選択確率をかけたものとして表現できる。したがって、離散選択モデルの結果と完全に整合的である。そうでありながら、例えば、ケチャップ、マヨネーズ、塩等、任意の数の財グループを含むことができ、また、複数個のケチャップを選ぶことも可能である。その意味で本年度の研究成果は重要な理論的意味を持つと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、平成26年度中に、平成27年度の研究に応用可能なプロトタイプのモデルを開発することができたため。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に開発した理論モデルを現実に応用することができるように発展させる。また、実際のデータにはどのように応用すればよいかを検証するために、データの整備を行う。また、この分野と関連が深い海外の研究者からのフィードバックを得て、より精緻で実際の消費者行動をよりよく描写するモデルに発展させる。

Causes of Carryover

平成26年度中に、カナダのブリティッシュコロンビア大学に出張し研究を行ったが、滞在日数が予定よりも少なかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度も平成26年度同様、カナダのブリティッシュコロンビア大学に出張して研究を進める予定であるので、そのための旅費の一部として利用する。

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Published: 2016-05-27  

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