2014 Fiscal Year Research-status Report
東・東南アジア民主主義地域における共同的意思決定の公共選択論的分析
Project/Area Number |
26590047
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川浦 昭彦 同志社大学, 政策学部, 教授 (10271610)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 民主主義 / 選挙 / 予算 / タイ / フィリピン / 台湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共選択(public choice)の分野での実証研究の対象を東・東南アジアの民主主義国に拡げることを目的として、平成26年度は「理論的枠組みの整備」と「タイ・フィリピンを対象とする実証研究」を行った。 先ず「理論的枠組みの整備」としては、Daron Acemoglu and James Robinson, Economic Origins of Dictatorship and Democracy, Cambridge University Press, 2006 にて展開されている分配的政治の理論的枠組みが、本研究計画でも利用できることを確認した。アジア民主主義地域で散見される民主的ルールからの「逸脱」の分析にこの枠組みを適用するための取り組みを行った。 「タイ・フィリピンを対象とする実証研究」については、タイにおいては長期的な中央政府予算データを収集した。クーデターに関する考察を行うため、軍事関連支出についても情報を収集した。フィリピンについては、1990年からの中央政府から地方政府への移転支出について詳細なデータを収集した。いずれの国についても、海外共同研究者からの協力を得てデータ収集を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた「理論的枠組みの整備」と「タイ・フィリピンを対象とする実証研究」の2つの活動についておおむね順調に進んでいると評価している。タイ、フィリピンについて追加的に収集すべき情報は残っているものの、平成27年度にデータ収集を完了し次第分析を進め、年度中にある程度の結果を得ることができるものと期待している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は理論的枠組みを完成させ、それから得られた仮説をタイ、フィリピンのデータを用いて検証する作業を行う。これについては平成27年度に目途をつける予定である。また、台湾についてのデータも収集し、独裁制から民主制に移行した例として分析を行う。
|
Causes of Carryover |
タイおよびフィリピンへの海外出張を計画していたが、データ収集の進展状況を鑑みて次年度に先送りしたために、次年度使用額が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
タイおよびフィリピンへの海外出張を行う。
|