2015 Fiscal Year Research-status Report
東・東南アジア民主主義地域における共同的意思決定の公共選択論的分析
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26590047
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川浦 昭彦 同志社大学, 政策学部, 教授 (10271610)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タイ / 台湾 / フィリピン / 公共選択 / 政府予算 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、民主的意思決定における「逸脱」を説明する理論的枠組みの構築作業を行った。発展途上国では先進工業国とは異なり、法律などで定められた制度が必ずしもその通りに運営されていない場合が多く、成熟した民主主義のもとでは起こり得ないタイミングでの政権交代などが発生することがある。それは軍事クーデターや大規模デモなどの形態を取ることがあるが、本研究で構築している理論モデルは、そうした「逸脱」を説明することに貢献するものと期待される。 それと平行して、その理論的枠組みから得られる仮説を検証するための実証分析に用いるために、タイ・台湾・フィリピンに関するデータ収集作業を行った。タイ、台湾に関しては分析に利用可能な段階までデータを整備することができた。しかし、フィリピンに関しては、データ収集作業を担当していたフィリピンの研究協力者が所属大学での業務が多忙になったため、本研究計画に携わることができなくなった。以下の【11.現在までの進捗状況】にある通り、代わりにデータ収集をすることができる研究者を探している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
民主主義的意思決定手続きの浸透度合いに関して様々な段階にあるアジア3か国(タイ・台湾・フィリピン)を併せて実証分析することで、理論的考察から導出される仮説を検証することが研究計画の目的であった。しかし、フィリピンのデータ収集作業を担当していたフィリピンの大学に所属する研究協力者が、所属大学での業務が多忙になったため、本研究計画に携わることができなくなった。このためにフィリピンについてはデータ収集作業がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
フィリピン人、日本人を問わずフィリピンの政治・財政状況に精通した研究者を新たな研究協力者として、引き続きフィリピンに関するデータ収集作業を行う。それにより平成28年度中にはアジア3か国(タイ・台湾・フィリピン)の民主主義意思決定を併せて実証分析することを見込んでいる。
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Causes of Carryover |
フィリピンのデータ収集作業に遅れが生じたため、予定していたマニラ出張が延期になったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フィリピンに関するデータ収集を平成28年度には加速させて、マニラ出張を行う。
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