2015 Fiscal Year Annual Research Report
新興国の自律的ビジネス生態系と日系企業のソーシャル・ビジネスモデルに関する研究
Project/Area Number |
26590064
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
林 倬史 国士舘大学, 経営学部, 客員教授 (50156444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 知栄 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (20411209)
星野 裕志 九州大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60273752)
中山 厚穂 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (60434198)
荒井 将志 亜細亜大学, 国際関係学部, 講師 (70549691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | BOP / NGO / Grameen Bank / CARD MRI / 自立的ビジネス生態系 / マイクロファイナンス / 日系企業 / バリューチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発展途上国の貧困解消という問題に対する新たなアプローチを日系企業とNGOとの協働の視点から提起している点にあり、特に、日系企業と現地NGOとの協働によるローカル企業の「持続可能なビジネス生態系モデル」の開発に置かれている。 今回の研究プロジェクトでは、、日系企業によるソーシャル・ビジネス型BOP戦略モデルを、フィリピンでの事例を軸に、日系企業固有のビジネス生態系モデルとして理論的構築を計ってきた。メンバーは、2009年以降、フィリピン現地を毎年訪問して、国際的にも評価の高い同国最大のNGOであるPBSP(Philippine Business for Social Progress)との協力のもとに、同NGOが協賛企業275社と共同で行っている「貧困解消プログラム」、およびマイクロファイナンス業務を行っているNGOのCARD(Center for Agricultural and Rural Development:以下、CARD)によるサリサリストアを中心とした現地でのビジネス生態系と経済的自立化政策について現地調査をしてきた。その結果、従来の欧米系多国籍企業をベースとしたBOP論を乗り越えた、ものづくり型日系企業独自のBOP論の提起と貧困削減を可能にするビジネス生態系モデルの提起が可能となってきた。ここでの本研究の最大の特色は、企業サイドというミクロの視点から、発展途上国の貧困解消というマクロ的諸問題に対する新たなアプローチを日系企業とNGOとの協働の視点から提起していく点にある。 研究成果としては、「フィリピンのインフォーマル・セクターとフォーマル・セクターの分析」、「貧困層消費市場の構図」、「NGOのマイクロファイナンスとサリサリストアの分析」および「多国籍企業とNGOのBOP戦略の有効性と限界」、等に関する論文として、28年度11月出版予定の『新興国市場と貧困解消のBOP戦略』(林 倬史著、文眞堂)に収録されている。
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Research Products
(9 results)