2016 Fiscal Year Annual Research Report
A exploratory research on the effectiveness of design process in marketing activities.
Project/Area Number |
26590073
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
秋山 秀一 兵庫県立大学, 経営研究科, 准教授 (30388889)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デザイン / マーケティング / デザイン・イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業のマーケティング活動におけるデザイン・プロセスの有効性について、理論的、実践的に明らかにすることを目的としている。国内外における関連分野の研究や活動をサーベイし、その一部を秋山(2015、2016)にまとめた。 (1)文献・事例調査(平成26-8年度)(2)海外調査(平成27年度):デンマーク(3)国内調査(同上):兵庫県篠山市(NOTE)、海外事例調査 (4)国内・海外調査(平成28年度) 最終年度は、国内調査結果をさらに深めつつ、新たにイタリア・ミラノ市での海外現地調査を行った。特に企業におけるデザイン戦略の導入と関わりの深いデザイナーの機能や役割について検討した。注目したのは日本企業の海外展開である。イタリア、ミラノ市で毎年4月に開催される「ミラノサローネ」国際家具見本市への出展に関わる若手デザイナー等へのインタビューより、展示会への出展を通じて、対象企業のデザイン戦略が外部から評価され、企業内にも浸透していくことがわかった。企業におけるデザイン・プロセスの有効性を高めるためにもそのような場の存在が重要であり、展示会後の双方の調査も継続中である。 以上、探索的調査を通じた一定の成果と今後の研究課題の手がかり明らかになった。まずは企業のマーケティング活動におけるデザイン・プロセスの有効性を検討する場合、戦略と組織、製品との関わりについてさらに検討する必要がある。既存研究からも、新しい製品や価値を創出する場合、ステークホルダーによるクローズドな組織が重要な役割を担う。しかしながら、市場関係者など企業外部との関わりや、それが評価されるような場が重要な役割を担っている。これらの点については、事例分析を中心にさらに検討する必要がある。他方、理論的な検討もさらに進める必要である。それらの諸点について継続して研究を続けており、新たな仮説構築、研究計画の立案へとつなげたい。
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