2016 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化する世界における民主主義の行方と社会運動の役割についての国際共同研究
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26590087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20534382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会運動 / 新自由主義 / 民主主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化に対抗する社会運動や市民社会組織は、新自由主義的秩序に代わる「もう一つの世界」を追求しているが、それはどのようなものなのか、実現可能なものなのかを探求した。前年度までに研究集会やワークショップの実施を通じて国際共同研究を広く実現してきたが、平成28年度は、その民主主義と社会運動に関する研究成果を海外に広く発信するために、国際学会での発表や論文集の出版に重点を置いて研究活動を実施した。平成28年度の具体的な実績概要は以下の通りである。
1)8月20日から23日にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開催されたアメリカ社会学会(American Sociological Association)の年次大会に参加し、研究成果の英語発表を行った。これは、メキシコのふたつの電気産業労働組合の比較を通じて、どのような条件で民主的な組合組織の構造が実現するのかを論じたものである。前年度のワークショップ開催時にメキシコ・チリ・アルゼンチンなどの研究者からいただいたコメントを反映させた論文である。 2)社会運動研究分野のトップジャーナルである学術雑誌Mobilization: A International Quarterlyに、この研究プロジェクトチームの成果をまとめて特集号(special issue)として刊行した。初年度に開催した国際研究大会に参加したアメリカやヨーロッパの研究者たちの論文や研究代表者の論文を含め6本の論文を掲載した特集号となっている。 3)ラテンアメリカ地域の状況について情報交換をし、また、研究成果を発表するために、来年度のLatin American Studies Associationの年次大会で発表をするための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究活動と若手研究者への機会提供という目的を果たしつつ、研究の成果をまとめた論文数本を一流の国際学術雑誌に掲載することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、共同研究の成果を国際学会や学術雑誌に発表していく。また、ワークショップや講演会などを大学院生や若手研究者も交えて開催し、より一層の研究促進を推し進める。
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Causes of Carryover |
2016年11月にチリのサンチアゴとパタゴニアで国際フォーラムとワークショップを開催したが、参加者人数が当初の予定に満たなかったため、旅費の支出が抑えられたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年4月にペルーのリマで開催されるラテンアメリカ研究学会(Latin American Studies Association)の年次大会での発表や、11月にメキシコで開催する研究会の経費として使用し、研究成果を広く世界に発信することに努める。
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