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2014 Fiscal Year Research-status Report

学校変遷史データベース構築による地域社会機能変化の検証

Research Project

Project/Area Number 26590091
Research InstitutionWakayama University

Principal Investigator

湯崎 真梨子  和歌山大学, 産学連携・研究支援センター, 教授 (50516854)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中島 敦司  和歌山大学, システム工学部, 教授 (90283960)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords学校変遷史 / 廃校 / データベース / 学制 / マップレイヤー / 学校立地
Outline of Annual Research Achievements

学制施行後に遡る学校関連資料の多くは散逸しており,各学校の変遷と地域社会との関連性が体系的に整理されていない状況にあった。本研究では,教育情報と生活史を多角的に収集,年表化し,創立から移転,合併,統廃合,廃校などに至る和歌山県の全学校変遷史のデータベースを構築。学校存立要件と地域社会変容の関連性を明らかにすることに挑戦した。研究概要は以下である。
1)文献調査と現地調査により,明治初期の学制施行以後,村落学校,尋常小学校を起源とする和歌山県内で設置履歴のある学校,廃校の沿革史と社会背景,災害履歴などの一覧整理。2)データを元に作成したマップレイヤーをGoogle Map上に作成し,位置関係の検証と情報の高精度化。3)学校変遷史と地域の歴史的事実を体系的に整理,年表化したデータベースを構築。学校変遷と地域社会の関連性を分析。4)データベースを平易に再編集した学校変遷史を一般書として出版。
この結果,データベース化した学校情報は1626校におよんだ。また各校の設立地の確定にも挑戦した。ルーツの追跡は困難を極めたが,全ての現地に足を運び,古地図,寺社資料,聞き取りなどを合わせ踏査し,場所の特定に至った。
本研究の成果として,和歌山県南部の東牟婁,西牟婁地方の学校変遷について再編集し,『熊野の廃校』として出版準備を進めた。教育関係者,行政,広く一般に公開し研究の地域還元を目的とする。ここでは,熊野地方に現存する校舎,校地を網羅し学校変遷を視覚的に浮き彫りにできる。また,学制の草創期における地域や民衆の姿をまとめ,辺境といわれる熊野においても,津々浦々まで浸透を強制された学校制度と民衆の葛藤,地域社会機能の変化を明らかにすることを目的とする。
本研究により消滅した学校やむらが持った「地域資源の豊かさ」を発掘することができ,周縁からの地域再生研究の可能性が明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

学制発足後,新制度下における地域社会の姿を,「学校」を拠点として明らかにすることできた。これは,明治期には.特に貧しい山村地域においては,学校が決して好意的に受け入れられた訳ではない,という新発見とともに,近代化の中で地域社会変容が「学校」を通してかなり分析することができるという新たな視点が得られた。
また,文部省(当時)や県内資料に正確に記録されていない明治初期の各地の学校発足地について,各種文献や調査により,かなりの精度で特定できたことが特筆できる。一部は寺小屋をルーツに持つが,学校の創立地からその後の合併,統合,委託,廃校など複雑な学校沿革史を設立場所の特定と共にデータベース化した。その数は1600以上となった。今後の教育資料,行政資料,郷土資料として本研究の貢献は大きいものになるはずである。さらに,研究成果をわかりやすく一般書としてまとめる準備をした。「廃校」は地域活性化面において,その利活用が一種のブームの様に扱われているが,単に廃校施設に注目するのではなく,廃校に至った学校と地域の変遷史に目を向けることが,新たな地域再生への可能性を含んでいることを,成果をわかりやすくまとめた書籍で示すことを目的としている。このことにより地域再生への新たな視点の提示ができるものと考える。

Strategy for Future Research Activity

データベースが完成した和歌山県南部情報の公開とともに,今後は,和歌山県中部,和歌山県北部の学校情報について,現在まで整理できているデータベースの精度向上に努める。情報の精査は,さらなる文献情報と現地踏査による。また,学校を核とした地域変遷史研究として,今後は、地域間の相互影響の様相について研究・分析に着手する予定である。まず,和歌山県南部の学校変遷史について『熊野の廃校』としてまとめ出版の準備にかかっているが,今後も引き続き,紀伊半島の学校沿革および地域変遷史誌として,研究成果をわかりやすく一般に公開していく予定である。

Causes of Carryover

和歌山県内の廃校を網羅した報告書を作成予定であったが,学校を核とした地域社会変容を検証するためには,現在までに調査を進めた約1600校と周辺県や周辺地域の学校との関係を明らかにする必要が生じたため,計画を変更し,そのための資料収集と現地調査を追加で行うことにしたため未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

和歌山県内の学校情報を網羅したベータベースから,ほぼ整備が完成する予定である熊野地方の学校変遷史について,データベースをわかりやすく再編集し,平易な一般書として出版し,教育関係,行政,また広く一般に公開する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 Other

All Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Book] 『熊野の廃校』2015

    • Author(s)
      湯崎真梨子,中島敦司
    • Total Pages
      255頁
    • Publisher
      南方新社
  • [Remarks] 和歌山大学型グリーンイノベーション創造プログラム

    • URL

      http://www.wakayama-u.ac.jp/greeninnovation/category/materials

URL: 

Published: 2016-05-27  

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