2014 Fiscal Year Research-status Report
男性移住家事労働者の男性性の変容と再編-イタリアのフィリピン人の事例
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26590092
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長坂 格 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60314449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小ヶ谷 千穂 横浜国立大学, 大学院都市・イノベーション研究院, 准教授 (00401688)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生産労働 / 国際移住 / ジェンダー / 男性性 / フィリピン / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、再生産労働の国際分業の進展が、女性の国際移住を増大させただけなく、男性の移住家事労働者をも生み出してきたことに着目し、フィリピン出身のイタリアで就労する男性家事労働者を具体的な対象として、彼らの移住経験理解と社会関係の変容を「男性性の変容と再編」という観点を導入して考察することを目的としている。初年度にあたる26年度は、男性性およびフィリピン人男性移住者に関する関連研究の収集と検討を中心におこなった。まず、代表者と分担者は、再生産労働の国際分業の進展のなかでのイタリアにおけるフィリピン人男性家事労働者の増大についての文献のレビューをおこなった。イタリア社会における政治経済的・人口学的構造変動とジェンダー規範の緩慢な変化が、都市部における移民家事労働者の増大をもたらしていること、フィリピンの庶民層のあいだでの経済的不確実性への対処としての海外移住という選択肢の重要性の持続と、イタリア政府による滞在許可取得外国人への家族再結合制度の適用が一定数のフィリピン人男性家事労働者の存在をもたらしていることなどを跡付けることを試みた。また、10月には、社会学分野で男性性研究をおこなってきた専門家を招聘して研究会をおこない、「ヘゲモニックな男性性」概念とその批判についての文献レビューの成果を吸収し、男性移住労働者の男性性の再構築の検討に際しての、ジェンダー構造の多元性への着目の重要性を確認した。これらの諸文献の検討をへて、来年度以降の現地調査のための視点および調査項目の再検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予算の減額幅が大きかったことと、代表者と分担者のスケジュール調整が順調にいかなかったことから、調査予定を、2年目以降にずらしてまとめて行うことで、研究費のより効果的な使用をおこなうことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究会を開催するなどして、ある程度、収集した先行研究、あるいは関連文献をまとめ、本研究の理論的立場をさらに確立していくと同時に、フィリピン、あるいはイタリアでの現地調査を、代表者と分担者各自が実施する予定である。さらに、それらの調査結果を、関連する研究者を招いた研究会で発表することで、調査成果のまとめと公表につなげていく計画である。
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Causes of Carryover |
予算の減額が大きかったため当該年度の調査費用が必ずしも十分でなく、次年度にまとめて使用して現地調査を実施することで、予算のより効果的な使用をおこなうこととしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
代表者、分担者ともに、現地調査をおこなうこととするほか、専門家を招聘しての研究会を実施することで、理論的立場をさらに検討することとする。
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Research Products
(2 results)