2015 Fiscal Year Research-status Report
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26590098
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| Research Institution | Otemae University |
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Principal Investigator |
鳥越 皓之 大手前大学, 総合文化学部, 教授 (80097873)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 水 / 水の神 / 地域コミュニテイ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国において飲料水が悪化の方向をだどっている事実に対して、なんらかの改善方法を模索するところにある。工学などは汚れた水の処理については、得意としているが、問題は水を汚さないという施策の必要性である。基本的にはコミュニティの水利用に対する姿勢がどうあるのか、という点が大きいと仮定し、コミュニティ研究に焦点を絞って、研究を進めた。
とくに本年度は福島県川内村に焦点を絞って調査をすることを研究実施計画で述べていたが、その目的は達することができたと判断をしている。川内村に多くの日数をかけてでかけて、村長との面談をも含めて、多くの村民からライフヒストリー的な手法で、時間をかけて聞き取りをした。その聞き取り結果を公表できるように、交渉中である。コミュニテイ政策学会の叢書のひとつとして出版できそうである。
調査は水の問題を含めて、そこに住む人たちの生活の全般を生活史的に広く、聞き取りを行った。水の利用は山の利用と深く関係があるので、山の用途などについても聞き取りを行った。そのシンボルとしての山の神、また、水のシンボルの水の神との関係など、観念世界に立ち入った調査も行った。とくにここは原発による被災の地域なので、その点を注意深く聞き取った。
ともあれ、調査は水を軸にして、文化・社会に幅広く視野を広げながら、その実態をあきらかにすることにエネルギーを注いだ。とくに来年度が最終年にあたるので、最終年度にうまくまとまることを意識しながらの研究となった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には計画通りに進んでいる。ただ、当初の予定になかった原発問題が含まれることになった。福島県川内村は上水道を意識的に設置していない自治体であったので、その目的で出かけて調査をしたのであるが、そこは福島原発から20キロから30キロというとても近距離にある自治体であったので、被災した住民は原発に関心が高く、そのため水利用だけではなくて、コミュニテイのなかでどのように原発と向き合ったのかというような点の聞き取りも行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
とくに困った課題はなく、水にかかわる文化とその社会組織としてのコミュニティの研究は順調に進んでいる。そのため、28年度の最終年度は、まとめを意識しながら、データの整理などにかなりのエネルギーを注ぐことになるだろうと予想をする。
まとめにさいして、研究史的な分析が不可欠であり、代表者の前任校である早稲田大学にこの分野の資料がそろっているので、そこへの出張がふえるであろうと思われる。
また、必要な地域で補足的な調査を実施することになるだろう。現在のところ、沖縄が水道用のダムの問題と湧き水の問題があるので、そこでの調査が有効ではないかと考えている。なお、昨年、福島の原発問題が加わったことを上の欄で述べたが、ひきつづきこの課題も含まれることになるかと思われる。
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