2016 Fiscal Year Annual Research Report
The improvement of water system for the maintenance of water quality
Project/Area Number |
26590098
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
鳥越 皓之 大手前大学, 公私立大学の部局等, 学長 (80097873)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水質汚染 / 水質汚濁 / 生活分析 / 水にかかわる価値観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水の汚染・汚濁についての実践的な研究を行うに当たっての、より深めるための萌芽として行われたものである。現在、わが国の飲料水の悪化が10年単位でみると、あきらかに悪化の方向を歩んでいる。それは一言でいえば、近代化の進行によって、化学肥料や農薬の使用もさることながら、さまざまな工場排水および生活排水が、飲用を目的とした水資源、それは川やちかすいなど、に入り込んでいる。これを食い止めなければ、いかに水道システムを近代化しても悪化を防止できない。なぜなら、化学物質に対して、化合する別の化学物質を投入することは予想できない危険があるため、生物処理だけで済まさなければならない問題点があるからである。塩素の投入が、トリハロメタンという新しい化学物質を生じさせている現状からそれは明らかである。 このような問題点を解消する手立てを政策的に考える必要がある。その政策は大きく分けて、ふたつに区分できる。ひとつは人間の広義の生活としての活動の内容を分析し、その内容を形成している社会システムから、水質汚染・汚濁をする要因を除去することである。もうひとつは水を汚染・汚濁させているのは、主要には人間であって、魚や鳥や水草などの動植物ではない。この人間の価値観(たとえば近代化が望ましいという価値観など)の分析が必要であり、どうように、水質の汚染・汚濁と直接的に関連する価値観に対してメスを入れていく作業が必要である。このような作業工程を押さえた上で、本研究期間において、具体的な研究をすすめて、一応の成果をまとめ得たと自負している。
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