2014 Fiscal Year Research-status Report
外国人児童と日本人保育士の相互行為における身体性と言語的行為に関する社会学的研究
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26590100
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 素子 北海学園大学, 法学部, 准教授 (70413292)
バーデルスキー マシュー 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80625020)
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 相互行為 / 道徳的秩序 / 多文化混成 / 身体的行為 / 仲裁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非日本語話者児童と日本語話者保育士、また非日本語話者児童と日本語話者児童、日本語話者児童と日本語話者保育士の相互行為を、言語的行為と身体的行為の関わりから分析した。平成26年度は、特に非日本語話者と日本語話者児童のけんかと仲裁の場面を、言語的行為と身体的行為から分析した。この問題に関して、保育園へのエスノグラフィーを行い、それぞれの児童への保育士の保育方針やバックグラウンドを聞いた上に、保護者たちにもインタビューを行い、家庭などのバックグラウンドと日本での遊びなどのルールの違いへの子どもや保護者、また保育士の戸惑いとそれへの対応を伺った。 山崎晶子と山崎敬一はともにエスノグラフィーと会話分析を行い、イスラム教徒の子供たちと非イスラムの子供たちが異なる食事を取ることでの争いと'Format tying'(けんかの際に相手の言葉を用いる)を用いたけんかを分析することで、子供たちの世界での「カテゴリー化」のありかたと、それを利用した仲裁のあり方を明らかにして、国際学会で発表した。また、バーデルスキーは保育園でのケアのあり方に着目し詳細な分析をおこなった。また、五十嵐素子は、教師から子どもへの教示についての発表を行った。 これらに加えて、感情表出や多文化環境における文化的な身体の解明を行うために、多文化混成保育園でのお箸トレーニングの場面を撮影した。ほとんどの子供が母国に帰った時には必要がなくなり、家庭では用いないお箸や煮魚などの日本特有の食事に対してどのように接触をするかを探るために、長期的撮影を行っている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、論文の発表はなかったものの、代表者も研究分担者もそれぞれ学会発表を行った。また、データの継続的収集や、エスノグラフィーを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
多文化混成保育園におけるデータの収集を進め、分析を進める。 文化のバックグラウンドを理解するために、多くのインタビューを行う。 また、成果として論文や本を発表できるようにする。
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Causes of Carryover |
物品費に関して、見積もりと誤差が生じた。研究代表者が10月後半に急病にかかり回復に2ヶ月を費やしたため、旅費が予想よりもかからなかった。同じ理由で、データ分析や収集の指示が詳細に出来なかったため、謝金も計画ほどかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、データ収集と打ち合わせのために旅費を用いる。またデータ収集と分析のために謝金として用いる。物品として解析用コンピュータを購入する。
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