2015 Fiscal Year Research-status Report
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26590102
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
鵜飼 孝造 同志社大学, 社会学部, 教授 (00203498)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会デザイン / ライフデザイン / メディアデザイン / コミュニティデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まずシドニーと近郊でのライフデザインについて調査を行った。都市化が著しい点では日本と共通しているものの、豪州ではライフスタイルに合わせて、住宅地を柔軟に移りかわることができる。日本の住宅は「一生一度の買い物」ということがほとんどであるが、豪州では投資の対象との考えが強く、購入時よりも売却時の方が高く売れることが多いので、ライフサイクルに合わせた移動を行いやすい。たとえば、独身時から子どもが乳幼児の時期は都心に近い住宅地で利便性を優先した生活を過ごす。子どもの学童期からティーンエージャーの時期は、より郊外に移って経済性を優先しつつ、安全で文化的な環境を確保する。子どもが巣立った後は引退後のライフスタイルを考えて、自然が豊かで医療の充実した所に移り住む。このようなサイクルが各地域に特有のサービス産業を充実させ、一極集中および均質化と格差の深刻化を防いでいることがわかった。 次に、ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガスの都市デザインを調査した。ニューヨークは世界のビジネスの中心都市であるが、近年は観光に力を注いでいる。例えば空港から市内への地下鉄網を利用しやすくしたり、市内でのレンタサイクル網を充実させることで、経済的でエコロジカルな観光を可能にしている。また、観光スポットや宿泊施設への予約や情報入手をインターネットでできるように市内のwi-fi網を充実させて、言語的な壁を低くしつつ海外からの観光客を吸収している点も注目される。ロサンゼルスは映画・娯楽産業の中心であるが、やはり地下鉄やバスの公共交通機関の整備とメディア環境の充実によって、観光客にとってフレンドリーな都市に変化しつつある。ラスベガスに関しても、かつてのカジノのイメージから脱却を図り、滞在を楽しめるコンベンション都市化や周囲の国立公園への観光拠点化が進められており、社会デザインを考える上で多くの示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家庭的の事情で海外での実習調査の時期が遅れてしまい、研究報告書の出版を次年度に持ち越したが、調査研究は実質的に完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の研究調査は終了したので、今年度は報告書の作成に専念する。
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Causes of Carryover |
家庭の事情で、秋までに実施を予定していた調査研究が、3月まで延期せざるを得ず、研究報告書の作成と出版を次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実績報告書の出版に用いる。
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Research Products
(1 results)