2014 Fiscal Year Research-status Report
困窮者支援活動を効率化する情報システムに関する実証的研究
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26590113
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
中尾 泰士 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (60309531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅羽 修丈 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (50458105)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 困窮者支援 / データベースシステム / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,困窮者支援活動において,その活動をデータベース化して記録しようという動きが見られる。内閣府「パーソナル・サポート・サービス事業」として行われた「福岡絆プロジェクト」(2010年~2013年)において,われわれは困窮者支援活動に関するデータベース・システムを構築したが,その中で特に対象者ごとの日々の支援内容を記録する対応カルテ入力について,システムによる効率化の必要性を実感した。支援員の入力作業を効率化するために,たとえば,入力された文章にもとづいてシステムが自動で対応内容の分類や集計を行うということが考えられる。 このしくみを実現するためには,どのような文章がどのような対応内容にあたるのかをシステムに「学習」させる必要がある。この学習用データとして,実際に困窮者支援活動を行っているNPO法人の協力と了承のもと,実際の対応記録データの提供を受けた。このデータには直接的に困窮者個人を特定できる情報は含まれないが,その扱いには慎重を期している。 その上で,われわれが「福岡絆プロジェクト」で構築したデータベースをひな型として,今回の研究開発用システムをサーバ・マシン上に構築した。 対応記録データをシステムにより分析・学習させるためには,日本語特有の問題,すなわち,文章を単語に分解する仕組みや,機械学習アルゴリズムとしてどのようなものを利用するかを検討する必要がある。本年度は,この自然言語処理と機械学習の分野の現状を各種文献等で調査し,われわれの研究に利用できそうな要素技術の理解に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対応記録データを機械学習に利用するために,事前にデータをチェックして不適切な字句等をクリーニングする作業に取り掛かれなかった。その主な理由は,機械学習アルゴリズムとしてどのアルゴリズムが適切か判断するのに時間がかかっていることによる。利用するアルゴリズムに見通しがつき次第,データの事前クリーニング作業にかかりたい。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な準備が出来次第,当初計画通りに,対応記録データを自然言語処理した上で学習データとして利用する仕組み作りに取り掛かる。研究開発用サーバマシン上のデータベースシステムに搭載した後に,機械学習アルゴリズムの実装,および,そのデータの効果的な可視化やユーザ・インタフェースの検討に入る。
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Causes of Carryover |
一つには,今年度,物品費として計上した研究開発用のサーバ・マシンにかかる費用を予定より安く抑えることができたことがあげられる。また,対応記録を学習する機械学習アルゴリズムの選定に時間を要し,機械学習用データの事前クリーニングに要する謝金の支出がなかったことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
費用を抑えることができた物品費の分は,支援員が使用するクライアント・マシンとなるタブレット型PC等への支出を計画している。また,機械学習用データの事前クリーニングに従事する人員を確保して,その作業への謝金の支出を予定している。
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