2014 Fiscal Year Research-status Report
教育モデルと評価システムの構築による福祉専門職養成教育に関する総合的研究
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26590115
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
嘉村 藍 仙台白百合女子大学, 人間学部, 助教 (60438570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 充 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (00248692)
宮本 雅央 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (10515753)
熊谷 健二 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (20299770)
三浦 俊二 東北福祉大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40173976)
長谷川 真理子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (40381305)
泉 雅子(池田雅子) 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (90222900)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会福祉系コアカリキュラム / ソーシャルワーク / 社会福祉学 / OSCE / CBT / 実習前評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福祉専門職養成教育における学生の質保証の観点と実習前到達度の共通基盤の確立を中心的課題として添え、理念型としての福祉専門職養成教育モデルを構築し、それに基づいた実習前評価システムとしてのCBT(Computer-Based-Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)開発を行うものである。 本研究は、第1~3段階が折り重なって同時並行的に実施を予定している。 【第1段階】福祉専門職養成教育モデルの原型の作成とブラッシュアップを行う。具体的には、卒業時の到達目標を見据え、福祉専門職養成教育におけるモデル・コア・カリキュラム及び実習前コンピテンス等の共通点・相違点を整理し、福祉専門職養成教育モデルを構築する。【第2段階】CBTとOSCEの作成・実施・修正・データ蓄積とブラッシュアップを行う。具体的には、CBTの問題を作成・実施し項目反応理論を用いた分析とデータの蓄積を行い、OSCEの場面を作成・実施し、運営および評価に関する課題抽出を行い、マニュアルを作成する。【第3段階】CBT・OSCEの試行結果をもとに、福祉専門職養成教育モデルと実習前評価システムを完成させる、という流れである。 2014年度は、OSCE課題を2種類開発した。先行研究等では1つのコンピテンスに絞って評価を行うものが多かったが、本研究ではより実践に近い課題設定を想定し、複数のコンピテンスを評価する場面を作成し、実習前の学生を対象に試験を試行した。OSCEについては第2段階まで到達していると言える。 社会福祉系コアカリキュラムについては構想から10年以上経過しており、点検と精緻化の作業が必要であるが作業量が膨大であるためこれらの作業は、当初の予定より遅れている。CBTは知識試験であるが、社会福祉系コアカリキュラムの精緻化作業との連動の問題があり、当初の予定よりも遅れている。(第1~第2段階の間である)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OSCEの開発については順調である。研究計画で示した第2段階までは到達しているといえる。しかし、社会福祉系コアカリキュラムの点検と精緻化の作業が想定よりも手間取っており、必然的にCBTの開発も遅延気味である。加えて、CBTを実施する対象学生の確保が困難を極めている。(おおよそ第1~2段階) さらに加えて、研究分担者および研究協力者の体調不良のため研究会のお休みや研究メンバー変更(研究協力者)が生じており、それらへの対応も「やや遅れている」状況の一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
社会福祉系コアカリキュラムの精緻化作業は、コアカリキュラムそのものの分量が膨大であり、その精緻化は根気のいる作業であるため少々遅れ気味ではあるが、整地するためのおおよその枠組みは整理できたので、研究分担者間で作業の分担をしながら、できるだけ速やかに進めていきたい。おおよそ、2015年度8月頃には社会福祉系コアカリキュラムの精緻化作業を7~8割完成することをも目標とする。 OSCEは比較的順調に進行しているといえるが、研究代表者の所属する大学の学生に加えて、他大学の実習前の学生を対象として、試験を試行し、それを繰り返し積み重ねていく。加えて、OSCEの課題も追加し充実を図るものとする。2015年度の8月に他大学学生を加え新規課題を2題加えて実施し、データを収集する予定である。 CBTは、OSCEよりも社会福祉系コアカリキュラムの精緻化作業との連動性が強いが、精緻化の影響を受けづらいコアカリキュラム群を選び、それらに基づきまずはCBTの問題作成をすすめ、2015年度中に試験を実施してサンプルデータの収集を行いたい。その際、試験を受けてくれる対象学生の確保が課題となるが、研究分担者及び研究に興味のある大学教員のゼミ生単位から協力を仰ぎたい。
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Causes of Carryover |
県外に所属する研究分担者数名おり、県外在住の研究分担者の支出の内訳の中心は旅費となった。分担金を使い切ってしまった分に関しては、研究代表者と所属を共にする研究分担者の分担金を利用して支出した。代表者の分担金は、研究全体に関わる物品(特にCBTで使用するパソコン)を購入することを想定していたが、パソコンが予想よりも単価が高かったため、研究代表者の研究費を前倒し請求した。しかし、実際はコアカリキュラムの精緻化及びCBTの開発が遅延したため、その分の分担金を次年度に繰り越すこととしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度購入を延期した、CBT作成と運営管理用のパソコンを購入する予定である。OSCEを試験的に実施する際に研究代表者所属以外の大学から数名学生を招聘して試験を実施する予定であるため、その交通費と謝礼金、OSCE実施に伴う備品の購入を予定している。具体的には、動画撮影用の機材、音声集積用の機材、OSCEに関する小道具が中心となる。コアカリの精緻化にともないいくつか文献の購入をする必要がある。それ以外には、研究会開催に伴う研究分担者の旅費、交通費等に使用する予定である。
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