2015 Fiscal Year Research-status Report
自衛隊員と家族の派遣活動段階に即したソーシャルワーク支援システム開発に関する研究
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26590124
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
田中 顕悟 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (30340368)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Military Social Work / Military Culture / Deployment Cycle / 自衛隊 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していたMilitary Social Workerへのインタビューが,研究者の体調不良(現在は完治)により実施困難となり文献・資料研究が主であった.本研究は,自衛隊員と家族の派遣活動段階に即したソーシャルワーク支援システム(以下,支援システム)の開発を進めるものであるため,今年度は特に,アメリカのMilitary Social WorkにおけるDeployment Cycle Supportに関連する各種先行研究について整理を行い,その中でも特にDeployment Cycleの「Seven Stage Model」およびそれに関連する「Emotional Cycle of Deployment」に着目し論究を行った. 「Seven Stage Model」に関しては,各Stageの特徴とそこでのService MembersとMilitary Families等が直面する状況と必要とされる支援ならびに支援者が保有すべき支援視点の概観について整理を行った.これにより支援システム開発のための基礎的理論の整理が進められた.また「Emotional Cycle of Deployment」に関しては,我が国での紹介例は少なく,また比較的新しい理論であるため先行研究および資料の精査を行った. さらに,上記のような文献・資料研究を基盤に,本研究で開発予定の支援システムに,支援活動の過程において関わるソーシャルワーカーを対象として「Deployment Cycle」と「Military Culture」の視点・知識に特化した研修プログラム案を作成した.これは,本研究の目的の一つでもある自衛隊員とその家族への支援に関わる様々な専門職との連携・協働の推進ならびに支援活動の「活動機能分類」の論究に関わる側面もあるため,最終年度の研究への一助になると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2015年4月上旬から研究者の体調不良(現在は完治)により約1ヶ月の入院・在宅療養ならびに継続した加療が必要となったことが最大の原因としてあげられる.それにより,当該年度に予定していたMilitary Social Workerへのインタビューに関わる準備・調査活動が実施困難となった.そのため,今年度は最終年度において提言予定の自衛隊員と家族の派遣活動段階に即した支援システム開発に関連すると考えられる,アメリカのMilitary Social Workに関わる先行研究の精査を進め,それによりシステム開発において考慮すべき事項の整理を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は当初の計画にそって,アメリカより講師を招聘し,Military Social Workに関する講演会を12月中旬以降に行う予定である.テーマとしては,Military Social Work概論ならびにMilitary Social Workの支援におけるDeployment,Military Cultureへの理解に関わる講演内容を調整中である.なお,講演会参加者については,Military Social Workに関心を持つソーシャルワーカーおよび研究者ならびに防衛省・自衛隊関係者(臨床心理士等)へ呼びかけを行う予定である.それにより,講演会終了後はアンケート調査を実施し,参加者のMilitary Social Workに関する意識ならびに参加者が考えるMilitary Social Work像について把握・分析を行い,自衛隊員とその家族への支援活動に関わる我が国の状況に即した支援システムの開発およびそこでの実践活動に関わるであろう社会福祉専門職の活動機能に関する試論構築の基盤とする予定である.
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Causes of Carryover |
2015年度は,研究者が体調不良により約1ヶ月の入院・在宅療養ならびに継続した加療が必要となったことにより,当初予定していた調査活動ならびに学会出席等が困難となり文献資料研究が主となったため,当初予定した旅費および調査に関わる諸経費が未使用となったことが原因としてあげられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は当初の計画にそって,アメリカよりMilitary Social Workの専門家を招聘し12月中旬以降に講演会を行う予定であるため,招聘と講演会開催に関わる諸経費(旅費・謝礼・同時通訳者および機材の手配)ならびに講演会で実施予定のアンケート調査に関わる経費に充当する予定である.また,昨年度は参加が困難であったアメリカで開催されているMilitary Social Work Conferenceについても可能な限り参加を行い,Military Social Workに関する情報収集および研究者および実践者とのネットワークの構築を行う予定である.
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Research Products
(1 results)