• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

ノンゼロ関係が罪悪感・和解行動に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 26590132
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

大坪 庸介  神戸大学, その他の研究科, 准教授 (80322775)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords罪悪感 / 関係価値
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は、罪悪感の測定に皮膚電気反応を利用する実験(実験1)と、関係価値の程度を実験的に操作する自己罰実験(実験2)を行った。
実験1では、関係価値の高い・低い相手を想起してもらい、その相手に迷惑をかけた場面を詳細に想像するように教示し、想像している間の皮膚電気反応を測定した。関係価値の高い相手に迷惑をかけた場合に高い罪悪感が喚起されるのであれば、その感情反応は皮膚電気反応として現れると考えた。しかし、罪悪感シナリオによって皮膚電気反応が高くなるという傾向はみられたが、関係価値の高低による違いは生じなかった(この結果については、2015年度日本社会心理学会で報告された)。
実験2では先行研究にならい自己の実験報酬に影響を与える他者とそうでない他者に対して迷惑をかけたときの罪悪感(自己報告)と自己罰(行動反応)を測定した。この実験では、関係価値の操作による罪悪感への効果量は、予想よりも極めて小さい可能性が示された。そこで、平成28年度に改めてデータを追加し、仮説の妥当性を検討する予定である。また、自己罰に関しては、条件差は検出できないと予想される。
これらの中心的な研究以外に、関係価値の操作についての予備調査として、他者からの注意を操作する予備実験を行った。こちらは、他者からの注意により相手に対する親密さが上昇することが示され、今後、関係価値の操作に組み込むことができないか検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、諸外国で実際された先行研究の結果、および当研究室で実施した先行研究の結果が実験室実験という環境下で十分に再現可能ではないために進行がやや遅れている。そのため、実験室状況における関係価値が罪悪感に及ぼす影響の効果量を推定しなおす必要がある。サンプル数を増やしたり、測定の精度を上げることでこの問題を克服し、平成29年度中の研究の完成を目指している。
本申請研究では、関係価値が罪悪感に及ぼす影響を詳細に検討する予定であったが、この部分については、上記の理由で進行に遅れがある。しかし、そのサイドプロジェクトとして行っている研究はむしろ順調に進んでいる。ひとつは、罪悪感が被害者への謝罪を促すと予想されることから、謝罪傾向を測定する尺度を作成し、それと相関する変数を探している。これらを統制することで上記の関係を観察しやすくするためである。この尺度開発については、すでに論文が1本公刊されており、順調といえる。また、関係価値の操作の仕方についても先行研究とは異なる方法を模索している。そのひとつに相手からの注意があるが、これも予備実験として行った研究の結果が良好であったため、すでに論文としてまとめて学術雑誌に掲載決定している。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は、皮膚電気反応にかえて心拍(容積脈波)を指標とした実験を実施する予定である。これは、知り合いの研究者の実験室において類似した実験を実施した際に、皮膚電気反応では結果が出なかったが、心拍では結果が出たという話を聞いたことにもとづく変更である。これにより、関係価値を操作した相手に迷惑をかけた状況を想定してもらい、そのときに心拍の変化を調べる。関係価値が高い相手に迷惑をかけたと想像したときに心拍が上昇すると予測される。
また、平成27年度に実施した関係価値を操作し自己罰の程度を測定する実験を継続して行う。60名程度の参加者では結果に有意な差が認められなかったため、この参加者数を倍にすることで関係価値が実験室状況での罪悪感に与える影響を検討する予定である。
これに加えて、インターネット調査を実施し、関係価値により罪悪感が影響されやすい状況を探る予定である。これを行うことで、上記の2つの実験の精度を上げることができると考えられる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Social attention promotes partner intimacy2016

    • Author(s)
      Ohtsubo, Y., & Tamada, S.
    • Journal Title

      Letters on Evolutionary Behavioral Science

      Volume: 7 Pages: 21-24

    • DOI

      10.5178/lebs.2016.45

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Development of Japanese measures of reconciliatory tendencies: The Japanese Trait Forgivingness Scale and the Japanese Proclivity to Apologize Measure2015

    • Author(s)
      Ohtsubo, Y., Yamaura, K., & Yagi, A.
    • Journal Title

      社会心理学研究

      Volume: 31 Pages: 135-142

    • DOI

      10.14966/jssp.31.2_135

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 関係価値が罪悪感に及ぼす影響:皮膚コンダクタンス反応を用いた検2015

    • Author(s)
      松ヶ崎渓介・野口泰基・大坪庸介
    • Organizer
      日本社会心理学会
    • Place of Presentation
      東京女子大学(東京都・杉並区)
    • Year and Date
      2015-10-31 – 2015-11-01

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi