2015 Fiscal Year Research-status Report
投資マインドの心理学的研究:金融リスク認知と投資行動の関係の解明と応用
Project/Area Number |
26590134
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐々木 美加 明治大学, 商学部, 教授 (90337204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 真理子 明治大学, 商学部, 教授 (80308056)
瀧川 裕貴 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60456340)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会心理学 / 投資行動 / 金融リスク認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、投資マインドを心理学的に研究するもので、大規模のモニターリサーチを行っている。調査では、佐々木(2011)によって明らかにされた金融リスク認知の構造をもとに、30代~60代の社会人600名に対してweb調査の方式でモニターリサーチを行い、金融リスクに対する態度尺度の作成を試みた。その結果、金融リスク認知尺度、個人的・社会的要因尺度、投資態度尺度の3つの下位尺度で構成される金融態度尺度が作成された。この金融態度尺度の妥当性を検討するため、同じモニター会社で異なる30代~60代の社会人300名を対象としてweb調査を行った。この調査では、お金に関する態度に関する尺度とリスク認知に関する尺度との関連を検討し、併存的妥当性を検討した(佐々木, 2015)。この金融リスク態度尺度の下位尺度の一つである金融リスク認知尺度は、金融専門家と一般消費者の間の金融リスク認知構造の違い(Sasaki et al., 2013)に影響される可能性が残されていた。そのため、先のデータを用い、金融専門家と一般消費者の2群の多母集団分析を行った。その結果、金融リスク認知尺度、個人的・社会的要因尺度および投資態度尺度のすべての金融態度尺度の下位尺度において、配置不変性・測定不変性がほぼ妥当であることが示された(佐々木・中林・瀧川, 2015)。さらに、30代~60代の社会人2000人を対象としてweb調査を実施し、金融態度尺度(佐々木, 2015)の構造的妥当性が確認された。これらの結果に関しては、現在研究雑誌に投稿準備中である。また、研究分担者の中林は、金融商品への投資マインドのうち、生命保険商品購入時のリスク認知についてweb調査を実施した。調査では、近年見られるハイリスクな保険商品の購買を検討する場合、投資態度に関連する保険のリスク認知について検討し、現在詳細な分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究分担者1名が逝去し、初年度の研究分担者が2名から1名となった。その後、2年目に研究分担者の追加があったため、研究を十分に共有し理解しながら進めるのに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の減少と追加ののち、研究の体制は整った。今の体制で、順次研究を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
当初研究分担者を予定していた者1名が逝去し、昨年度新たに研究分担者1名を追加した。そのため、研究の共通理解を十分にはかる時間が必要となり、研究の進行に遅れが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究体制が整ったため、昨年度行う予定であった研究計画を順次進める。
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