2015 Fiscal Year Research-status Report
自閉症児が示す社会的認知発達の促進因の解明:発達環境と発達特性の相互作用から
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26590147
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 知加 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自閉症 / 乳幼児 / 早期介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自閉症児の「発達特性(個人差)」×「発達環境の種類」の相互作用の観点から、自閉症児の社会的認知はどのような条件下で発達が促進されやすいかについて解明をめざすものである。自閉症が疑われる乳幼児を対象として、各対象児の発達的な特徴及びその変化について詳細に調べ、発達環境(療育、療育以外の集団経験、自宅での養育のみ)と比較しながら発達促進の要因や条件を見出すことを目的としている。 本年度は、主にデータ収集をすすめた。まず、研究参加者のデータ収集開始時点(1~2歳)におけるこれまでの発達環境としては2種類あり、自宅を中心とした養育のみ、もしくは、保育園を中心とした(療育ではない)集団経験であった。いずれのグループも自閉症が疑われる特徴を示す一方、データ収集開始時点までに集団経験をもっていたグループでは模倣等の社会的認知がより発達していたことが明らかとなった。自閉症における早期療育の効果が謳われてきたが、その時期や種類について更に検討する必要がある。 今後は、これまで自宅を中心とした養育のみを受けてきたグループに対して、保護者の希望をふまえ、療育を実施するグループを新たに作成し、発達環境(療育・療育以外の集団経験・自宅での養育のみ)による社会的認知発達の促進の違いについて追跡調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調にデータ収集をすすめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は予定していない。適宜、データ分析の人員を増員しながら、研究知見としてまとめられるようにすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
データ分析担当者の都合により、十分なデータ分析のための時間が取れなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ分析担当者の予定調整は終えており、適宜、分析時間や分析担当者を増やしながら、全てのデータ分析が終えられるようにする。
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