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2014 Fiscal Year Research-status Report

広汎性発達障害児の「独特な言語」と個人的経験による限定的な文脈の関係の検討

Research Project

Project/Area Number 26590151
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

郷式 徹  龍谷大学, 文学部, 教授 (40332689)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords広汎性発達障害 / 独特な言語使用 / メディア接触の影響
Outline of Annual Research Achievements

軽度の発達の遅れを伴う広汎性発達障害の男児(平成27年3月31日時点で6歳5か月)を対象に2014年8月から2か月に1回程度1回約30分間の自然観察を行い、その様子をウェアラブルビデオカメラで記録した。また、随時、発言をノートに記録した。
言語使用に関して、ごっこ遊びの中での時同年齢の子どもたちの間で流行っているアニメやゲームのキャラクターになりきっての反復的なセリフは年度当初より見られていたが、年度後半には、長兄(中学1年生)のしているゲーム(マインクラフト)の影響で、レゴブロックやその他のおもちゃを用いて、一人でごっこ遊び(戦いごっこ)を行う様子が記録された(なお、対象児本人はマインクラフトは難しすぎてできない)。
また、年度後半には、母との会話で、時折、ゲームのキャラクターがその場にいて会話に参加しているような発言を行うことが見られるようになってきた。他に、次兄(小学2年生)とのごっこ遊びにおいて、設定に関する発言等が明確になってきた。特に、次兄がアニメやゲームとは異なった独自の設定や解釈を行った場合に、「ちがうで、ちがうで。○○やで」という風にオリジナルの名称やセリフにこだわる様子が見られた。なお、当初は、ごっこ遊びの設定に関しては自分の主張をするのみで、相手(次兄)と調整することができなかったが、時折、相手の意見を受け入れる場面がでてきた。
その他、あげる‐くれる、してもらう‐してあげる、される‐する等のことばで視点の混乱を示す使用が見られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

観察(ビデオ撮影)時には、研究の目的である「常同的で反復的な言語」や「独特な言語」がそれほど明確には記録されていない。そのため、当初の研究目的であったビデオによる発話の記録についてはデータ数がやや不足しているといえる。そのため、評価として、「(3)やや遅れている」とした。ただし、観察時以外にそうした発話が生じることがあり、日誌記録は行われているため、日誌記録のデータも含めて考えれば、当初の目的に沿ったデータ収集が行われていると考えられる。
なお、対象児には軽い構音障害がある。そのため、家族や担任教師など身近な人は発言内容を聞き取ることができる。しかし、それ以外の人がビデオに記録された内容からのみ発言を正確に聞き取ることは(何回もビデオを見直すといった)経験ないしは訓練が必要である。そのため、現在のところ、ビデオデータの整理・編集の作業を外注することができていない。今後、整理。編集する場面を絞り込んで、整理・編集を行うといった工夫が必要と思われる。

Strategy for Future Research Activity

基本的には、平成26年度と同様に対象児の家庭内での「常同的で反復的、または独特な言語」を中心に永続記録および日誌記録の形式でのデータ収集を図る。なお、現在、会話時に、ゲームのキャラクターがその場にいて会話に参加しているような発言を行うことが見られる。そうした場合に、自身の要求や言い訳をキャラクターの発言として行うケースがあることから、本年度は特に、こうした場面を収集していきたい。
なお、対象児は平成27年4月から地域の市立小学校特別支援学級に進学した。今後、学校(特別支援級および交流級)における対象児の発話とその発話が担任や周囲の子どもに理解されているのかについても確認していきたい。
また、進学時点で、自分と兄弟の名前(ひらがな)は読むことができ、自分の名前は書くことができた。現在、その他の文字についても学習中であることから、この影響についても注目したい。現在のところ、アニメやゲームのキャラクターの名称等について(聞き)間違ったまま覚えていることがあり、周囲の人が訂正しても対象児は変更を拒否することが多い。そのため、対象児との会話がかみ合わないことがあるが、字を読めるようになることで、キャラクターの名称等へのこだわりが改善されるかに注目していきたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 児童における文字・図形模写の発達に及ぼすメディアの影響(2)2015

    • Author(s)
      子安増生・郷式 徹
    • Organizer
      発達心理学会
    • Place of Presentation
      東京大学本郷キャンパス
    • Year and Date
      2015-03-20 – 2015-03-22

URL: 

Published: 2016-05-27  

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