2014 Fiscal Year Research-status Report
子育ての困難に直面する家族が形成する「承認とケアのネットワーク」に関する実証研究
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26590187
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
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Principal Investigator |
山田 哲也 一橋大学, 社会学研究科, 准教授 (10375214)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 家庭教育 / 自助グループ / 社会関係資本 / 承認とケアの社会学 / 社会的ネットワーク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2014年度には、第一に、承認論、ケア論、社会的ネットワーク・社会関係資本に関する先行研究をサーベイし、本研究を遂行する基盤となる理論的な枠組みを構想した。承認論については、アクセル・ホネットの議論を手がかりに、後期資本主義社会における承認の三つの形式区分に学びつつ、かれの議論を経験的な研究に接合する手がかりを模索した。ケア論については、教育哲学者のネル・ノディングスの議論をもとに、教える─学ぶ関係におけるケアの契機を確認するとともに、教育関係を越える点を含むケアのあり方（例えば家族による子育てや介護）と、教育関係内におけるそれとの異同について検討を行った。社会的ネットワークに関する先行研究については、質問紙調査を用いてネットワークの実態やその機能を測定する手法をレビューし、社会関係資本に関する研究については、ナン・リンに代表される、Social Capitalを個人財として捉えるアプローチと、コールマンやパットナムに代表される、集合財としてのSocial Capitalに着目するアプローチの双方に学びつつ、両者を接合する枠組みの構想を試みた。
第二に、不登校・ひきこもり当事者の家族が形成する自助グループに対する参与観察を実施した。具体的には東京都・仙台市で活動する会を訪問し、参与観察を行うことで「承認とケアのネットワーク」の典型的な事例を対象に、フィールド・データを入手した。あわせて、今後の調査に関する依頼を行った。
第三に、不登校当事者やその家族、支援者が集まる全国的な集会に参加し、参与観察を実施した。諸ネットワークの連合体である全国組織の活動を把握し、今後の研究を行ううえでの足がかりを確立した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、2014年度中に調査対象となる団体の選定と依頼の作業を行う予定であった。すでにこれまでの調査で関わりのある団体に対する依頼作業は予定通り進展した。
他方で、本研究で実施する予定の質問紙調査は、保護者を対象にその社会的属性（収入や所得）、家族内外の社会的ネットワーク、子育て・教育に用いる資源などを詳細に尋ねる内容になっているために、新規の調査協力依頼がやや難航し、依頼の作業を2015年度に持ち越すことになった。
上記に示すように、依頼作業が予定よりも遅れたことで、2014年度に質問紙調査の予備調査を実施することもできなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
進行の遅れを取り戻すために、2015年度に調査の依頼を早急に進め、質問紙調査とインタビュー調査を実施する予定である。新規に調査に協力していただく団体の選定・依頼に予想以上の時間がかかったことを踏まえ、すでに協力を取り付けている団体に対して、先行して調査を実施する。
また、新規対象者に調査協力への同意を得るために、調査の趣旨をより詳細に説明するようつとめるとともに、質問紙調査に盛り込む設問を精査し、協力が得やすい内容の設問に再編する。もし新規の協力を得られることができなかった場合は、インターネット・モニター調査を活用するなど、別な方法で調査を実施する方策を検討する。
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| Causes of Carryover |
調査依頼が難航したために、2014年度に予定していた質問紙予備調査の実施を翌年度の2015年度に繰り延べることになり、質問紙の印刷にかかる経費、データ分析に必要なＰＣの購入費、アルバイト謝金などを2014年度に使用しなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度の早い段階で調査の依頼を完了し、質問紙調査・インタビュー調査を実施する。これらの調査にかかる経費として、次年度使用額を用いる。
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Research Products
(1 results)
