2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empire Japan's "foreign" Secondary teacher network
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26590199
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
山本 一生 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (70722578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 達也 明治大学, 文学部, 専任准教授 (00581208)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教員史 / 広島高等師範学校 / 帝国日本 / 植民地教育史 / 教員ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
公立「近代学校」の特徴の一つとして、教師は教育職員として資格を有し、かつ定期的に勤務校を異動することにある。では、帝国日本の版図拡大と教員ネットワーク形成との関係はいかなるものであったのか。そこで本研究は、広島高等師範学校(以下広島高師と略記する)の『広島高等師範学校一覧』(以下単に『学校一覧』とする)を用いて広島高等師範学校出身者による「外地」中等教員ネットワークの形成過程を分析した。広島高師を研究対象とした理由は、広島高師が新設校を中心に学閥を形成していったという先行研究の指摘を踏まえたためである。そこで、教員の移動というネットワーク形成を軸に「内地」と「外地」を一体として捉えることで、帝国日本の版図拡大と「内地」の教員養成校による新規教員市場の開拓との関係を考察した。 そして、本研究では帝国日本の版図拡大と教員ネットワーク形成との関係はいかなるものであったのか検討した。分析対象は、第一に「外地」に赴任した広島高等師範学校出身者、第二に満洲国の中等教員に関する政策、第三に広島高等師範学校校長などを勤めた幣原坦、第四に中国大陸と日本の「新教育」との関係である。 本研究では『学校一覧』に記載された卒業生の勤務先をデータベース化し、明治期から日中戦争勃発前にかけての広島高等師範学校出身者の「外地」への赴任を通して教員ネットワークの形成過程を分析した。この作業を通して「内地」と「外地」を地域横断的に捉える視座を提示することができた。こうして、帝国日本の勢力圏内において広島高師の卒業生ネットワークが形成されていく状況を具体的に明らかにすることができた。本科研の知見によって、これまで地域史としてそれぞれの研究分野で完結しがちであった研究状況に風穴を開けることができたと考える。
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Research Products
(3 results)