2014 Fiscal Year Research-status Report
学生海外渡航時のリスク管理(予防・対策)に関する研究
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26590209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大橋 一友 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30203897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 由香里 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任助教 (20608533)
敦賀 和外 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任准教授 (40595592)
小河 久志 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任助教 (50584067)
本庄 かおり 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任准教授 (60448032)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育学 / 人材開発・開発教育 / リスクコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は以下の3点を中心に調査研究を進め、研究を進めるうえでの基盤を整えた。これをもとに次年度は、さらなる分析を進めて成果をまとめ、国内外の学会で発表を行うとともに、学会誌への投稿、シンポジウム開催など、成果の発信に取り組む。
1. 危機管理体制に関するアンケート調査ならびに情報収集:平成25年度に日本学生支援機構(JASSO)の留学生交流支援制度(短期派遣)に採択された555プログラムを対象にアンケート調査を行い、383プログラムより回答を得て分析を進めた。日本全国の大学等における学生海外渡航時の危機管理体制の現状が明らかとなり、今後、課題を検討するための貴重なデータが得られた。 2. 学生に対するリスク予防教育法の開発:大阪大学GLOCOLおよびリーディング大学院にて行った海外フィールドスタディ科目において、リスク管理に関する事前学習を行うとともに、その効果を図るための自己効力感に注目した質問紙を作成して、事前学習前後に学生へ配付、記入させ、その結果を分析した。事前学習のあり方を考えるうえで貴重なデータを得た。 3. 教職員に対するリスク管理体制の改善策の提案:GLOCOL全教職員が参加して危機管理シミュレーションを行い、緊急時対応の課題をあげるとともに、その改善策を検討した。シミュレーションから抽出された改善策をふまえ、緊急時対応モデルマニュアルを作成した。また、大学本部、他部局教職員との情報交換の場を設けるとともに、学外でのポスター発表を行い、よりよいリスク管理体制の構築に関する示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定期的な研究グループ内での討議を通じ、研究はおおむね順調に進展している。研究内容では、アンケート調査やシミュレーション実施により、日本全国の教育機関における危機管理体制の基礎データが得られ、日本の大学全体の現状把握が進んだ。その研究結果から学生海外渡航時のリスク管理体制の課題、改善策も明らかになりつつあり、効果的なリスク予防策やシミュレーション方法の検討が進んでいる。ただ、アンケート調査が平成27年3月に終了したため、結果の解析は平成27年度に持ち越した。成果をまとめるにあたっては、調査データのさらなる分析、精査が必要であり、また研究成果の発表や効果的な報告方法の検討も必要である。さらに、学生に対するリスク予防教育法の開発や教職員に対するリスク管理体制の改善策については平成26年、平成27年度の2年間を総括する予定であり、平成27年の10月以降に最終成果をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
・本年度も昨年度と同様に、学生に対するリスク予防教育を行う。研究成果の分析を進めるにあたり、国際会議、学会等への参加によって海外の研究者を含む研究者と広く情報交換を行い、リスク予防教育に関する取り組みの標準化を試みる。 ・危機管理体制に関するアンケートおよびリスク予防教育に関するアンケートで得られたデータの分析を進め、各方面へ改善に向けた提言を行うとともに、学会等での口頭発表、論文投稿により積極的に研究成果を発信する。結果報告会は大阪と東京で本年度後半に、各協力大学ならびに関係省庁の関係者を招いて行う予定である。 ・教職員に対するリスク管理体制の確立のため、昨年度のシミュレーションで改善したシミュレーションを本年度も開催し、よりよいリスク管理体制を構築する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、アンケート調査実施にあたり協力者の雇用を予定していたが、既存の人員に余裕が生じたため、新たな雇用は行わず対応し、予定していた人件費を次年度の研究者間ネットワーク構築、情報収集、成果発信へ活かすこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、当該年度の助成金とあわせて、国際会議等での情報収集、学会参加やシンポジウム開催による成果の積極的な発信を行う。
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Research Products
(2 results)