2015 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国における私学高等教育の比較政策研究-質保障とマネジメントの観点から-
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26590214
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 啓一 神戸大学, その他の研究科, 教授 (90379496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高等教育 / 教育政策 / 教育の質と保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プライベートセクターにおける高等教育政策を質保証の観点と行財政の観点から分析し、開発途上国における当該政策動向の理論化、体系化を試みることを目的としている。事例対象国として、アジア(ミャンマー、ラオス)とアフリカ(ウガンダ、マラウィ)を選定し、各国の高等教育の実態を明らかにした上で、当該政策動向の理論化、体系化を試みるものである。
これまでに、ミャンマー、ラオス、ウガンダ、マラウイの事例4カ国で現地調査を行い、独自のデータを収集した。また、対象国の教育政策担当者や国際機関の専門家に関する質問紙調査も行い、連携研究者及び国際共同研究者間での議論を基に、上記の専門家らにフィードバックを実施してきた。具体的には、単位互換制度、成績評価制度(質保証)と運営財政や管理の独立性(マネジメント)の観点を軸に政策分析を実施し、事例国における現在の私立高等教育政策の動向を把握した。また、私立高等教育機関の類型化を財源別(公的資金、宗教団体の寄付等)、管理体制、経営体制についても明らかにした。現在、上記で収集したデータもとに比較分析を行っている。
2015年度は神戸大学国際協力研究科で研究会を開催して、調査結果を発表、共有してきた。研究会では学内外の研究者との意見交換・討議をもとに研究フレームワークの構築にも努めた。特に、本研究科には、開発途上国の教育政策や高等教育に関心のある若手研究者が数多く在籍しているため、このような研究会を通して、若手人材育成にも貢献してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、計画通り順調に遂行している。過去2年間で事例国のミャンマー、ラオス、ウガンダ、マラウイでの現地調査を無事に終了して、上記の4カ国における高等教育の論文を教育の質の保障とマネジメントの観点から分析して、論文を作成、公表してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、本研究プロジェクトの最終年度であり、総括の段階に入る。事例国での研究結果をもとに、開発途上国における私立高等教育の比較分析を行い、高等教育機関の体系化を実施する計画である。具体的には、新たな高等教育政策の理論化と私立の高等教育政策に関する研究の分析フレームワークの提示を試みる。また、過去2年間での研究成果を国際開発学会や国際教育協力フォーラムで積極的に報告していく計画である。また、本研究の最終報告書を作成・刊行して、国際ジャーナルへの投稿も行う予定である。
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