2016 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Integrated Instructional System for Students Who Have Experienced School Non-Attendance at Evening High School
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26590238
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
小野 昌彦 明治学院大学, 心理学部, 教授 (40280143)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 定時制高校 / 不登校特例校 / 学力 / 学習支援 / 不登校経験者 / 教育を保障される権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究対象校であったA定時制高校の校長が異動した為に研究協力が得られなくなった。そこで、本年度は、A定時制高校の2015年度のデータ解析の継続実施、学会発表、学術誌への論文投稿を実施すると同時に本研究の目的である高校期の不登校経験者の支援方法の検討のため小学校不登校経験の大学生(不登校特例校卒業)を対象としてインタビュー調査、支援を実施した。 2015年度のA定時制高校の入学者を対象とした調査(TK式学習進度指導検査)の結果、受け入れ生徒は、計算において小学4年段階、語いにおいて中学1年後半段階である生徒が最も多いことが明らかになった。また、高校1年間の教育実施の結果、小学4、5年段階の学力の生徒は、正答率に伸びがなかった。この結果は、不登校経験者が、受け入れ先の定時制高校において最高で2校種上の段階の教育を受けていることが明らかになった。この不登校経験者の学力実態は、高校カリキュラムの改善で対応できる範囲を超えており、この受け入れ制度自体が、不登校経験者への教育を受ける権利を保障できていないことを示唆していた。この成果は、日本生徒指導学会第17回大会で発表し、日本で初めて不登校受け入れ校の学力実態を実証的に示したとの評価を受けた。さらに、研究結果が、教育権に関する内容であったことから、スクール・コンプライアンス研究に結果をまとめて投稿し採択された。 小学校時の不登校経験者で不登校特例校を卒業した大学生3名を対象として、インタビュー、検査を実施した。共通の特徴は、職業未定であった。算数が小学2年、国語が小学3年レベルであった学生1名に対して、東京ベーシックドリルによる指導を実施した結果、小学校卒業レベルとなった。的確なアセスメントによる指導を不登校特例校、不登校受け入れ定時制高校でも実施すべきという提案を2017年の生徒指導学会等で発表する予定である。
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Research Products
(5 results)