• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

「本を選ぶ」活動を支援する読書教育プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 26590239
Research InstitutionTokiwa University

Principal Investigator

石田 喜美  常磐大学, 人間科学部, 講師 (00612996)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords読書教育 / メディア・リテラシー教育 / 青年期リテラシー / つながり合う学習
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、青年期にある若者、特に不読者の若者に対する読書教育プログラムを開発することである。この研究目的を達成するため、平成26年度は①読書教育・学習論などの関連する先行研究を収集・整理し、プログラム構想のための理論的知見を見出すとともに、②①に基づき具体的な読書教育プログラムを考案し、それを試行的に実施することで、考案したプログラムによってどのような学習が生起するかについて分析するためのデータを収集することとした。
まず①に関する研究調査として、「つながり合う学習(Connected Learning)」に関する資料を中心とした、米国におけるメディア・リテラシー教育に関する調査報告書、および米国の読書教育に関する資料を検討するとともに、近年日本で展開しつつある図書館活動や読書支援活動に関する資料に基づき、現代の日本において、不読者層に向けてどのような読書教育プログラムが展開しうるかを考察した。その結果、「本を選ぶ」ことに関しては、二つの方向性でプログラムを立案する可能性があることが明らかとなった。ひとつは、図書館や書店など、本に関わる場所への関係性を構築していくプログラムの可能性であり、もうひとつは、青年期にある若者が関心をもっている他の領域(サブカルチャー、アート、スポーツなど)と本とのつながりを可視化するプログラムの可能性である。
本年度は、これらの方向性に基づき、図書館との関係性を構築していくためのプログラムおよび、写真に関心を持つ大学生などを対象にした写真と本をつなぐプログラムを試行的に実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初は、青年期の不読者層を対象としたプログラムとして、図書館・書店以外の場所のみを対象とした読書教育プログラムを構想することを思い描いていたが、「つながり合う学習」に関する調査報告書だけでなく、現代の日本で展開している図書館活動・読書支援活動に関する資料を想定以上に入手できたことにより、本に関わる場所と不読者との関係性を構築することの重要性を発見することができた。この発見により、当初よりも幅広いフィールドでの実践研究が可能となり、現在、当初の想定していた生涯学習施設以外(美術館)にも、大学図書館やブックカフェなどで、考案したプログラムの試行が実現できた。

Strategy for Future Research Activity

今後は当初の計画どおり、平成26年度に試行したプログラムを対象に、そこで生起した学習について分析・考察し、「本を選ぶ」ことを基軸にした読書教育支援プログラムのデザインをモデル化することを予定している。
また、これまでに得られた知見および次年度考案するデザイン・モデルについて、学会発表・論文として公開するとともに、今回の研究課題で公安した複数のプログラムを「ゲーム集」「ワークショップ集」のようなかたちで掲載したリーフレットを作成し、読書教育関係者や図書館関係者に配布することで、研究成果をアウトリーチすることを予定している。

Causes of Carryover

初年度に購入しようと考えていた調査用機材のいくつかにおいて同機能でより安価に入手できるものを購入したこと、および、より最新のソフトウェアを購入することを期して質的データ分析のためのソフトを初年度に購入しなかったこと、実践研究および資料整理のため補助者に支払おうとしていた労務費が発生しなかったことが原因であると考えられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額として確保された金額については、分析や資料整理、保管のための機材や備品、ソフトウェア等の購入にあてることを考えている。前年度中計画していたよりも多くの実践研究を実施することができたため、想定以上に画像・動画・音声によるデータが収集されたため、これらを安全に保管し分析するための機材や備品、ソフトウェア等が必要であると考えている。

  • Research Products

    (8 results)

All 2015 2014

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 3 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 読書体験を共有する活動に着目したワークショップ・プログラムの実践2015

    • Author(s)
      石田喜美
    • Journal Title

      読書科学

      Volume: 56(3・4) Pages: 138-148

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 国語科メディア・リテラシー教育におけるアプロプリエーション2014

    • Author(s)
      石田喜美
    • Journal Title

      人文科教育研究

      Volume: 41 Pages: 13-25

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 学生によるワークショップづくりプロジェクト「TOKIWAまちなかラボ」の構想と実践2014

    • Author(s)
      石田喜美・小佐原孝幸・中村泰之
    • Journal Title

      人間科学

      Volume: 31(2) Pages: 71-78

    • Open Access
  • [Journal Article] 学生文化ボランティアの隘路:地域型アートプロジェクトにおける交換の〈失敗〉2014

    • Author(s)
      石田喜美
    • Journal Title

      人間科学

      Volume: 32(1) Pages: 29-45

    • Open Access
  • [Presentation] 大学資源の活用に向けたゲーミフィケーションの実践2015

    • Author(s)
      石田喜美・関敦央・寺島哲平
    • Organizer
      大学教育研究フォーラム
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2015-03-13 – 2015-03-14
  • [Presentation] 映像テクスト/言語テクストの審美的機能に関する学習の可能性:松本美枝子(写真家)による写真ワークショップの実践から2014

    • Author(s)
      石田喜美
    • Organizer
      全国大学国語教育学会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      2014-11-08 – 2014-11-09
  • [Presentation] 自分と本との関係を学びほぐす「場」をつくる―「本をえらぶワークショップ」におけるある高校生の選書プロセス―2014

    • Author(s)
      石田喜美
    • Organizer
      日本質的心理学会
    • Place of Presentation
      松山大学
    • Year and Date
      2014-10-18 – 2014-10-20
  • [Presentation] アクティヴ・アーカイヴにおける研究者の立ち位置:水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク アーカイ部」の実践から2014

    • Author(s)
      石田喜美
    • Organizer
      日本質的心理学会
    • Place of Presentation
      松山大学
    • Year and Date
      2014-10-18 – 2014-10-20

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi