2014 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギー,感染症,自然災害等の保健・安全問題に対する教員の力量とその形成
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26590240
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
植田 誠治 聖心女子大学, 文学部, 教授 (90193804)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健・安全 / 教員 / 力量形成 / 実態調査 / ニーズ調査 / ヒヤリ・ハット体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,食物アレルギー,感染症,自然災害に対する教員の保健・安全の力量を形成するモデルカリキュラムを作成し,その実験的施行によって,教員養成段階での保健・安全の力量を形成し評価することである。 この目的に基づき,平成26年度は,現職教員の保健・安全に関するニーズ調査とヒヤリ・ハット体験の調査を実施した。研究対象は,全国の10都府県の小学校,中学校,高等学校の学級担任である。1905名を対象とする調査を実施し,1283名より回答を得た。調査内容は,健康観察,けがの応急手当,熱中症,心肺蘇生法,AED,アレルギー疾患,アナフィラキシー時のエピペン,過呼吸,起立性調節障害,摂食障害,感染症,慢性疾患,心のケア,健康診断における教師の役割,発達障害,教室の環境衛生,自然災害,保護者との連携,教員同士の連携,養護教諭との連携についての対応を問う内容とこれまでに経験した保健・安全に関係した「ヒヤリ・ハット体験」を問うものである。 担任教員を対象とするこのような大規模な調査は,本邦初めてであり,このニーズと実態に基づきながら,モデルカリキュラム試案を作成することは大きな意義を持つ。データ入力が終了した時点で,一部のデータ分析を実施したところ,発達障害,けがの手当て,過呼吸,自然災害への対応などで苦慮した経験が多く認められている。また調査した内容の多くについて大学で学んでおくべきとする回答が多かった。現在調査結果の詳細な分析とまとめの作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,調査結果に基づき,モデルカリキュラム案と保健・安全能力の自己効力感尺度の開発までを進める予定であったが,調査の信頼性と妥当性をより高めるために,調査票の開発,対象者の選定ならびに倫理審査の依頼検討を慎重に行ったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
現職教員の保健・安全に関するニーズ調査とヒヤリ・ハット体験の調査の詳細な分析とまとめを終了し,学術論文を作成する。 調査結果に基づき,15単位時間からなる教育養成段階でのモデルカリキュラム案を作成する。 それと並行して,調査結果に基づき,保健・安全能力の自己効力感尺度を開発する。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に調査結果をまとめることができなかったため,それに係る経費を次年度に使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果のまとめに係る消耗品費と人件費に充てる。
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