2016 Fiscal Year Annual Research Report
Awkwardness in people with Autism Spectrum Disorder
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26590248
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 真理 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70274412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝吉 美知香 岩手大学, 教育学部, 准教授 (00581357) [Withdrawn]
鈴木 大輔 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 研究支援者 (70455814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ASD / 気まずさ / 対人関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,社会性の発達において重要な指標となる「気まずさ」の認識について,典型発達(TD)者の発達段階,ならびに自閉スペクトラム症(ASD)者の特徴を明らかにすることを目的とした。TD群は,小学生(3~6年)166名,中学生383名,高校生200名,高卒以上(18~50代)214名の計963名に「あなたが“気まずい”と感じるのはどういうときですか」と質問し回答を12のカテゴリーに分類し分析した。複数の場面や感情が混合した回答については,特定の場面や感情を述べた部分ごとに区切り1個の言及としてカウントした。TD群からは2136個(平均2.2個),ASD群からは258個(平均2.3個)の言及が得られた。両群に共通するカテゴリーとして滝吉ほか(2010)の分類枠を用いた。その結果,12のカテゴリーが生成され,その分類枠に基づき評定者2名で言及の分類を行った(κ=.66)。TD者において,小学生は自己の信念や感情が他者のそれとは異なることへの気づきにより生じる気まずさ(不都合,想定外の言動,ネガティブ感情,感情のズレ),高校生は生活空間や人間関係の広がりにより認識されやすい気まずさ(性・恋愛,他者の存在)に,それぞれ言及しやすいことが示された。ASD者においては,会話で共有される話題や雰囲気を瞬時に把握したり,自分と対照させて関係性をとらえることで引き起こされる気まずさ(雰囲気を乱す,他者の存在) について,年齢発達に伴う認識の増加が示されず,高校以上における言及率がTD者よりも少ないことが示された。また,自分が何をすべきかわからないときや対処できないときに言い出せない気まずさ(不都合)や,失敗に対する気まずさ(想定外の言動)の認識が多いことが示された。ASD者の気まずさ認識の特徴と発達について,TD者と比較検討し,ASD者の気まずさの認識に添った対人関係支援について考察した。
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Research Products
(5 results)