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2015 Fiscal Year Annual Research Report

知能検査が測定する心的過程を実証し,検査の有用性を高める研究

Research Project

Project/Area Number 26590252
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

大六 一志  筑波大学, 人間系, 教授 (10251323)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords知能検査 / WISC-IV / 処理速度 / 方略
Outline of Annual Research Achievements

WISC-IV知能検査は,日本で最もよく使われている学齢期の知能検査で,15の下位検査における得点の高低に基づき受検者の能力特性を理解する。この検査による理解を充実させるために,本研究ではいくつかのエビデンスを得ることを目的としている。
平成27年度は,処理速度の中の「絵の抹消」という下位検査に注目し,プランニング要因の影響について検討するために,対象者に解答方略を指定してこの下位検査を遂行してもらった。この検査は,無数に配置されたアイテムの中から標的を見つけて印をつけるもので,アイテムが不規則に配置された問題と,規則的に配置された問題の2問が用意されている。定型発達の大学生44名を対象とし,うち23名には標的をランダムに探索する方略を指示し,残る21名には標的を系統的に(行ごとに)探索する方略を指示した(指示が遵守されたか確認するために視線モニタ装置を用いた)。その結果,ランダム探索群では不規則配置と規則配置の正答数がほぼ同じであったのに対し,系統的探索群では規則配置の正答数が不規則配置よりも有意に多くなった。また,不規則配置,規則配置を合わせた正答数では,ランダム探索群の方が系統的探索群よりも有意に多くなった。
一般的には不規則配置よりも規則配置の方が正答数が多くなると考えられているが,実際にはそれは受検者の方略によることが示された。また,一般的には系統的探索の方が正答数が多くなると考えられているが,実際にはランダム探索の方が正答数が多かった。視覚機能(眼球運動など)の問題によって系統的探索が難しい受検者も考えられるが,本研究の結果が示唆するところによれば,それにより得点が低くなるとは限らない。実際に視覚機能の問題がある受検者を対象として研究を行う必要がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 発達障害のある子どもの田中ビネー知能検査Vの知能指数の特徴と補正方法2015

    • Author(s)
      吉村拓馬・大西紀子・恵良美津子・小橋川晶子・飯尾友紀子・広瀬宏之・大六一志
    • Journal Title

      LD研究

      Volume: 24 Pages: 292-299

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2017-01-06  

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