2014 Fiscal Year Research-status Report
看護職を目指す発達障害学生への修学・キャリア支援策の開発と連携体制の構築
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26590258
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
戸部 郁代 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20192908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発達障害 / 看護系大学 / 看護教員 / 修学支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護教育を実施している大学施設や看護教員における発達障害学生に対する修学支援の現状や課題を明らかにするために全国での実態調査を行った。その結果、以下の点について明らかになった。 看護系大学においては、入試要項等での特別措置に関する記載は障害者全般についてであり、発達障害に特化したものではなかった。また、学生の修学支援体制については、専門の部署や機関、委員会がある大学は少数で、多くは教員が学生委員会等において就学支援を担当していた。支援に対する取り組みについても、少数の大学でFDが開催されている程度であり、各大学での修学支援体制や取組に差が大きいことが明らかになった。 看護教員においては、大多数の人は発達障害の人と関わったことがあり、時期では教員職に就いてから、対象者は学生で発達障害の分類はASDが最も多かった。教員の発達障害の症状(特徴)に対する認識は、約半数の者が高い方であると認識していたが、発達障害学生への対応に自信がある教員は少なかった。教員が実践している具体的対応では実習指導や講義・演習指導が多く、自己研鑽法としては書籍での学習が多かった。しかし、大学入試センター試験での特別措置の把握や日本学生支援機構の発達障害学生に対する支援マニュアルの活用は少数であった。一方で教員が課題として感じていることは、修学上の困難が発達障害によるものかどうかの判断や各部署間との支援連携であり、具体的に臨地実習先の受け入れや連携に苦慮しているとの記載もあった。また、看護師としての資質における適性については、問題があると感じている教員の方が多かった。なかでも発達障害者が不得手とする「社会的行動」に問題を感じていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた調査の実施や分析が終了し、発達障害学生に対する修学支援の現状や課題を明らかにすることができた。これから成果発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度で明らかになった看護教育現場で明らかになった現状や課題をもとに、平成27年度では研究計画の予定通り、実習や就職先となる病院施設での発達障害についての認識や受け入れ、さらに看護師としての資質の適性についての認識や就労上の課題を明らかにしていく。そして、教育現場で実施すべきことは何かを見出していく。
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