2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of learning-career support measures and construction of cooperative system for nursing students with developmental disabilities.
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26590258
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
戸部 郁代 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20192908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発達障害 / 看護師 / 高等学校 / 進路指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護系大学等への進学を決定している高等学校における発達障害の生徒への対応を含めた進路指導の現状を明らかにし、看護系大学等が果たすべき役割や高等学校へ向けた情報発信のあり方を検討する目的で、全国の普通科を設置している高等学校1700校の進路指導教諭を対象として実態調査を行った結果、以下の点が明らかになった。 回答が得られた626校のうち、発達障害の生徒の在籍が313校(50%)、疑われる生徒の在籍が529校(84.5%)であった。教員の発達障害への理解の程度は約6割が「進んでいる」と回答し、発達障害の生徒の在籍に影響された。看護師としての適性に疑問を感じ、進路変更を勧めたことがあると回答した教員は237名(39.0%)あり、理由として「コミュニケーション能力に問題」「学力不足」が多かった。また、適性の判断を誰が行うかについては、「本人」「親」に次いで「高校教員」が53.9%で、「看護教員」は25.5%であった。看護系大学での修学における問題の発生程度では約7割の教員が「問題が発生する」と回答し、問題の理由は、「周囲とのコミュニケーション」「対人関係」「発達障害の特性」が多かった。発達障害の人の看護師としての適性について因子分析を行ったところ、過去に実施した看護教員や臨床看護師とは異なる結果を示し、自律性を求める行動に関する因子が抽出できず、一体化していた看護師としての対人行動や援助行動がそれぞれ独立した因子として抽出された。 高校教員は、看護師としての適性を考慮しながら生徒の進路指導を行い、約半数は自身が適性の判断者と考えていた。進学後のミスマッチングを防ぐためにも看護系大学は求める学生像をより具体的表現とすることや参加型オープンキャンパスの実施、学力に偏重しすぎない入試内容と適切な評価の導入、積極的な高大連携による情報共有を実施することが課題であると考える。
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Research Products
(1 results)