2016 Fiscal Year Annual Research Report
Oral myofunctional training trial for Clinical Evidence-Learning disabilities
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26590265
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
上地 玲子 山陽学園大学, 総合人間学部, 准教授(移行) (40353106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダウン症 / 知的障害 / 発達障害 / 言語コミュニケーション / 口腔周囲筋トレーニング / 療育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障がいを伴うことの多いダウン症児は、低緊張であり体全体のみならず、口唇閉鎖力も低い。ダウン症児に限らず、口を閉じることが苦手な子どもの場合、易感染性、アレルギー、嚥下障害、齲歯、構音障害、睡眠時無呼吸など様々な問題が指摘されている。これら口呼吸によって生じるリスクは、行動異常や学習問題、知能低下、認知症状の増悪、さらには先天性心疾患や肺高血圧を有する小児の心不全の増悪を来すことが懸念される。 われわれは、摂食嚥下機能訓練で使用される口腔周囲筋訓練を療育に積極的に導入することで、発達障がい児および知的障がい児への口唇閉鎖力を向上させることが可能であると仮説を立てた。さらに、口唇閉鎖力訓練の積極的取り組みによる口唇閉鎖力向上に伴い、他の発達への長期的影響を期待している。口唇周囲訓練を8名のダウン症児(4.6才-7.0才)に行った。口腔周囲筋訓練に関する保護者への指導マニュアルを作成し、自宅で簡便にセルフトレーニングができる療育プログラムとして、口腔周囲筋トレーニングを行う器具を用いて、1日3-5回、1回3分間、1年間、口をつぐむよう指導を行った。訓練群において、新版K式発達検査2001では、訓練回数が平均3回以上の児で発達の向上が認められ、三葉式言語発達検査では、訓練の回数と言語発達に有意な相関があることが明らかとなった。訓練実施により、発語がクリアになる以外にも、食事や嚥下がスムーズになった、指示がよく通るようになった、歩行が安定した、表情が豊かになった、風邪をひきにくくなった、などの感想が得られた。 以上の結果から、口腔周囲筋訓練は、ダウン症児の言語発達促進に有用であり、訓練回数の確保(1日3回以上)が課題であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)