2014 Fiscal Year Research-status Report
半導体ドット中の単一スピンの制御とメモリーへの応用
Project/Area Number |
26600008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40221949)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スピントロニクス / 量子ドット / 顕微分光 / 単一スピン / メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、半導体量子ドット中に単一の磁性スピンを含む系を作製し、ドット中の単一スピンの振舞いを磁気光学的手法により詳細に調べ、その振舞いを制御する手法を開発することにより、単一スピンを用いたメモリーの実現の可能性を検証することを目的に研究を行っている。平成26年度はCr原子1個を含むCdTeの自己形成ドットを作製し、その発光特性を調べた。分子線エピタキシー(MBE)により、ZnTe(CdTeとの格子不整合率 5.8%)層の表面に数原子層の厚さのCdTe層を積層し、歪による島状成長を利用してドットの自己形成を生じさせ、さらにCdTe層積層時に供給するCr分子線量を調整することにより、各ドットにCr原子1個を含むような試料の作製を試みた。Cr分子線量を系統的に変化させて作製したCdTe自己形成ドット試料に対し、顕微分光測定により単一のドットからの発光を検出したところ、発光線が5本に分裂した発光を観測した。これは、ドット中の単一のCr2+(d電子の合成スピンS=2)のスピンの向きに応じた発光線の分裂であると同定され、Cr原子1個を含むドットの作製が確認された。5本の発光線の分裂幅および強度比から、ドット中のCr2+のd電子準位を解析し、ドット中の格子歪がd電子準位の分裂幅に影響していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cr原子1個を含むCdTe自己形成ドット試料を作製し、その単一のCr2+スピンによる発光線の観測に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Cr原子1個を含むドットからの発光を時間分解発光測定などの手法を含めて調べ、ドット中の単一Cr2+スピンの振舞いを詳細に明らかにする。また格子不整合エピタキシーによる自己形成以外の手法によってもCr原子1個を含むドットの作製を試み、その発光特性を調べることで、格子歪がCr2+のd電子準位に与える影響を調べる。
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Causes of Carryover |
購入予定であったMBEの高温蒸発源として、他機関からの譲渡品を転用することが出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究目的に沿って適切に使用する。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Depositon and characterization of amorphous alminum nitride thin films for a gate insulator2015
Author(s)
H. Oikawa, R. Akiyama, K. Kanazawa, S. Kuroda, I. Harayama, K. Nagashima, D. Sekiba, Y. Ashizawa, A. Tsukamoto, K. Nakagawa, N. Ota
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Journal Title
Thin Solid Films
Volume: 574
Pages: 110-114
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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