2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26600029
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
石川 満 城西大学, 理学部, 教授 (70356434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇和田 貴之 城西大学, 理学部, 助教 (30455448)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 量子ドット / 発光スペクトル / 量子収率 / 溶媒効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが先鞭をつけた室温合成で調製したCdSe量子ドットの白色蛍光(Appl. Phys. Lett. 2006, 89, 013115-1 -013115-3)は、狭い蛍光を特長とする通常の量子ドットと比較して、極めて特異な性質であり、これまで十分な研究がなされていない。基礎的な蛍光特性を解析して白色蛍光量子ドットの特性を探索する。 先ず現在の研究環境下でCdSeの白色蛍光量子ドットを再現させた。蛍光量子収率を評価した結果。以前の研究で得られた~0.4には及ばないものの、コア型の量子ドットの量子収率としては高水準の0.2以上が得られた。これは単一量子ドットイメージングが可能な水準である。この量子ドット表面は疎水性の配位子(TOP)で覆われている。このため、清浄な表面が親水性であるガラス基板表面に一様に分散させることは困難となるので水溶性のリガンドと置換して量子ドットを水溶性に変換した。このときの量子収率は~0.3となった。ところが、単一量子ドットイメージング用の試料調製で試料溶液を希釈したところ、量子収率が大幅に低下することが判明した。これは表面を保護しているリガンドが解離することが原因と推定される。このため当初計画していたイメージング実験を推進することが困難となった。しかし、元となるCdSeコア量子ドットの調製を追試する過程で、発光スペクトルの幅に対する極めて顕著な溶媒効果を発見した。 合成直後のTOP溶媒中のCdSe量子ドット(CdSe:TOP)をクロロホルムに分散させることが常法としてよく知られている。このとき、スペクトル幅が著しく広い白色発光が観測される。ところが、これをジクロロメタンに分散させると驚くべきことに極大波長が~400 nmの青色発光が得られた。今年度はこのような発光スペクトルに及ぼす顕著な溶媒効果をとりわけハロゲン溶媒に着目して詳しく調べた。
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Research Products
(2 results)