2015 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学イメージングデバイスを用いた細胞動体解析法の開発
Project/Area Number |
26600057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊野 浩介 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (00509739)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気化学イメージング / バイオMEMS / 細胞解析 / 集積回路デバイス / 微小電極アレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
単純な運動を観察するため、キャピラリーが振動する装置を作製した。酸化還元種を含む溶液中にキャピラリーを挿入し、センサ電極近傍で振動させ、この振動による溶液の移動を電気化学的にイメージングした。使用した酸化還元種の酸化電流をセンサで取得した結果、液流れによる酸化還元種の供給を可視化した。これにより、単純な系での計測と液流れに関する考察を終えた。 続いて、微小生物の動体解析を実施した。前年度まではフェロシアン化物イオンを指標に用いて、この酸化電流値を取得していた。しかしながら、フェロシアン化物イオンは細胞毒性があるため、別の酸化還元種を指標に使用する必要にある。そこで、溶存酸素を指標にした計測を実施した。この結果、溶存酸素を指標に利用できることが判明し、非侵襲的な計測を達成した。一方、溶存酸素を使用した場合では測定計測感度が低下したため、続いてデータ解析法を検討した。この結果、高感度な電気化学イメージングを達成した。現在、この成果の学術論文を執筆中である。 微小生物のような大きな物体に関しては精度良く、動体解析が可能であった。一方、心筋細胞のような局所な動体解析は困難であった。そこで、電極サイズや計測システムの検討を行った。この検討により、計測感度を向上させることに成功したが、1細胞レベルの計測は達成できなかった。 本研究では動体解析に向けた電気化学イメージングシステム・デバイスを開発した。電気化学イメージング手法を用いて、ミジンコのような微小生物の動体解析に世界で初めて成功した。酸化還元メディエーターであるフェロシアン化物イオンを用いた計測だけでなく、溶存酸素を指標にした計測を達成し、非侵襲的な計測を実現した。光学的手法と組み合わせることで、新しいセンサシステムとして期待できる。
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[Journal Article] Potentiometric bioimaging with a large-scale integration (LSI)-based electrochemical device for detection of enzyme activity2016
Author(s)
Kanno Y, Ino K, Sakamoto C, Inoue KY, Matsudaira M, Suda A, Kunikata R, Ishikawa T, Abe H, Shiku H, Matsue T
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Journal Title
Biosens. Bioelectron.
Volume: 77
Pages: 709-714
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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