2014 Fiscal Year Research-status Report
レーザー発振を目指した発光トランジスタと光共振器の融合
Project/Area Number |
26600079
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹延 大志 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70343035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機レーザー / 両極性トランジスタ / 発光トランジスタ / 有機単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、応募者が技術と知見を蓄積してきた『有機単結晶を用いた両極性発光トランジスタ』への光共振器構造導入による、電流励起レーザー発振実現への基盤構築である。既に、有機単結晶を用いた両極性トランジスタ作製技術および大電流密度実現に必要な素子高機能化技術は独自技術として確立されている。よって、本研究提案においては、①共振器構造作製技術および②共振器構造実装技術の構築が極めて重要となる。そのため、初年度はこれら2項目に関して徹底的に基盤固めを行った。以下、項目ごとに詳細を示す。 (i) 共振器構造作製技術: 2種類の共振器構造を試した。1つには有機単結晶の端面を用いたファブリペロ共振器を利用した。さらに、ナノインプリント法を用いたナノメートルスケールでの有機単結晶加工技術を新たに確立した。具体的な加工方法は大きく3工程に分かれており、電子線リソグラフィー技術でシリコン基板上に作製したグレーティング構造を、第1段階としてPDMSへ転写し、第2段階として有機単結晶(OSC)上に製膜したUV硬化樹脂に転写する。最終的には、UV硬化樹脂をドライエッチングすることにより有機単結晶表面全体にピッチ数百ナノメートルの微細なグレーティング構造を導入に成功した。 (ii) 実装に関しても、大きく分けて二通りの方法を試みた。一つは、トランジスタの活性層と共振器が同一の構造であり、上述の方法で作製した共振器構造を有する単結晶を用いて両極性発光トランジスタを作製した。その結果、両極性伝導および15kAcm2の大電流実現に成功した。もう一つは、剥片状単結晶の重ね合わせによる光学的な線形結合を実現する最近の発見を用いて、トランジスタの活性層となる薄片状単結晶に、共振器構造となる薄片状単結晶を重ね合わせる。また、重ね合わせた結晶の光学特性を詳細に調べた。 成果は既に論文(Sci. Rep.)がacceptされており、極めて順調に研究が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、応募者が技術と知見を蓄積してきた『有機単結晶を用いた両極性発光トランジスタ』への光共振器構造導入による、電流励起レーザー発振実現への基盤構築である。既に、当初の目的であった(i)共振器構造作製技術の確立、(ii)単結晶両極性トランジスタへの共振器構造実装技術の確立、(iii)これらの光学的な評価、(iv)これらを用いた大電流密度の実現、などの研究項目は初年度に達成済みである。また、成果の一部は、既に既に論文(Sci. Rep.)がacceptされており、極めて順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的であった研究項目は既に達成済みであるが、残念ながらレーザー発振は実現していな。そこで、今後は追加の研究項目としてレーザー発振を妨げる原因を明らかにする。具体的には、熱・ポーラロン・励起子間相互作用などが原因として挙げられているが、これらを同一材料にて系統的に明らかにし、本質的な問題をあぶりだす。同時に、高性能な共振器構造導入を実現するため、対象材料を高分子まで広げ、低しきい値なレーザー素子を実現し、電流励起レーザー発振実現への基盤構築を固める。
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Causes of Carryover |
残額が2万円以下となったため、無理な執行は行わず、次年度へと繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
極めて少額なため当初の使用計画への影響は全くなく、予定通り執行する。
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[Book] Large Area and Flexible Electronics2015
Author(s)
Mario Caironi,Yong-Young Noh,Mario Caironi ,Yong-Young Noh,Yong-Hoon Kim ,Sung Kyu Park,Taishi Takenobu,Marcos A. Reyes-Martinez,Nicholas S. Colella, Alejandro L. Briseno,Hongbo Li, Vladimir Lesnyak ,Liberato Manna,Houk Jang, Wonho Lee, Min-Soo Kim,Jong-Hyun Ahn 他
Total Pages
558(117-132)
Publisher
Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA