2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26600093
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 正俊 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90130400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 隆夫 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60211322)
大野 真也 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00377095)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薄膜新材料 / Pt代替触媒 / 表面界面物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画に従って、下記の(1)-(2)を進めた。 (1) 成膜条件の最適化: まず,リング状ターゲットを用いて基板へのダメージをなるべく低く抑えて反応性スパッタリング成膜を行うための条件を検討した.ローダミン6G膜上へのZrO2成膜におけるダメージを光吸収スペクトルで評価した結果,ターゲットの中心軸上の最適な場所が決定された.次に,石英ガラス基板への酸化物,酸窒化物の成膜に関して,基板温度,高周波電力,成膜圧力,各スパッタガスの流量などの成膜パラメータを変化させて,これらのパラメータがZrONの膜質へ与える影響をX線回折及び光吸収スペクトルを用いて精査した.その結果,酸素ガス導入で主に単斜晶のZrO2薄膜を作成する条件,ならびに窒素ガス導入でβ-ZrON(Zr7O8N4)とγ-ZrON(Zr2ON2)の膜を生成する条件が決定された.グラッシーカーボン基板上に作成されたZrON薄膜について,三電極法による電気化学測定を用いて触媒能を評価した結果,膜厚が厚いほど酸素還元開始電圧が高く,1.1V程度の値が得られることが分かった.本年度中にはこの結果をフィードバックして触媒能が最も高くなるような成膜パラメータを見出すまでには至らなかったが,そのための道筋は明らかになった. (2) 炭素微粒子供給方法の開発: リング状ターゲットの成膜空間へ炭素微粒子を供給する方法については,超音波振動子,圧電素子,ブザーなど様々な振動源を用いて試みたが,まだ十分な供給能力を有する方法を見いだせていない.もう少し試行錯誤が必要である.この問題が解決されれば,量産に適したスパッタリング装置ならびにプロセスの提言を行うことが可能である.
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Research Products
(5 results)